久しぶりの新感線! 久しぶりのいのうえ歌舞伎!
客演の松山ケンイチ&天海祐希は、生で見るの初めてです。
(天海さんの前回出演、「薔薇とサムライ」はゲキ×シネのみ。)
松ケン氏に関しては、何をおいても大河ドラマ「平清盛」を溺愛しています(笑)
その上、題材が承平天慶の乱(平将門&藤原純友)となったら、
期待しないわけないじゃないですか!!
今回は東京公演が先だったのですが、あまり情報は入れずに行きました。
パンフレットを買って初めて、「松ケンが将門か~」とわかったぐらいです(爆)
舞台は「日の本」、実在の人物も何人も出てくる「なんちゃって日本史」(パンフより)。
革命を夢見た人々の挑戦と挫折の物語。
安定の「あて書き」なんだけど、今回、特に強く感じたのは、
主演2人、蒼真@天海祐希と、小次郎@松山ケンイチが、
それぞれの見せ場で最大限魅力的になるように、逆算して書かれているな~ということ。
小次郎はかなりの脳筋キャラで、恋ができるかどうかは微妙な感じなんだけど(おい)
それでもあのラストには惚れた。
そして、あのラストに行きつくためにそれまでがあるのだと納得できた。
蒼真は最初から勿論見た目はカッコいいんだけど、
俄然魅力を増すのは覚醒してから。でも、それまでも丁寧に伏線は張られていて。
覚醒後の姿は文句なし!
最初に、あの「覚醒」と、あの「結末」があって、そこがゴールだと決まっている。
だから、もう一回見たい。結末がわかった上で、最初から見たい。
ゲキ×シネ待ちかなあ。
薔薇サムのときも思いましたが、天海さん&森奈さんが出ているが故の、
ヅカパロディが結構目についた。
一幕ラストもヅカっぽい、ってか、王道ミュージカルっぽいのですが(レミゼっぽいとも言える)
坂東の民たちの嘆きの歌が、あまりにも「ミルク!」(エリザベート)そのまんまだった…
「♪新しい時代を この手でつかみ取ろう!」の部分の不協和音までばっちり。
後は、新感線の動物部門が凄すぎる(笑)
「新感線の動物部門なめたらあかんで!」by軍鶏@堤真一from「蜉蝣峠」
いやあ、過去にも、「アオドクロ」のイノシシとか鳩ちゃんとか、
「シレンとラギ」のイヌとか(ちょっと違うか)「蜉蝣峠」の軍鶏とか軍鶏とか(ちょっと違うか)
いましたが、今回の馬軍団は凄すぎる!!
3階からみていましたがすごい迫力でした。
宝塚の「前田慶次」も、この要領で松風登場させたらいいんじゃないかな?(無理)
(ジェンヌさんにこういう役やらせたら、その人のファンから暴動起きると思う…)
実際の「乱」を題材にしている以上、物語が悲劇で終わるのはわかっている。
そして乱の終結後も、「平安時代」は続いていく。それこそ、平清盛が現れるまで。
そういう意味では、「髑髏城」的な痛快エンタメにするのも、
「蛮幽鬼」的なカタストロフにするのも困難な題材。
物語としては、「真田十勇士」に近い気もした。
一矢報いる、的な。
上手いな、と唸ったのは、「俵藤太」の使い方。
(藤原秀郷の別名だけど、滋賀県民なので「俵藤太」のほうが馴染みがある。)
この名前が、あんなに悲しい意味を持つとは。
主人公は蒼真@天海祐希だけど、彼女は「外つ国の者=渡来の民」という設定で、
本来は起こっていることを俯瞰的に見ることができる人物。
それが、運命の偶然から巻き込まれ、やがて、乱の中心となる。
彼女が中心になってからが、物語の実質的なスタート。
「将門御前」となって兵を率いる姿の凛々しさ! カッコ良さ!
まさしく、「天海祐希」の本領発揮、で、これを描くための作品だったのか、と納得。
将門小次郎@松山ケンイチ。
高平太が、いた。
カメレオン俳優・松ケンだけど、あて書きすると高平太になるのか。
いかにも山出し、という武骨さと単純さ(ほめてます)。
武器は刀じゃなくて剣だし。エクスカリバー抜く場面があるし(違)。
とっても懐かしくて嬉しかった。「また会えたね」って感じ。
(でも今回は「海が苦手」なのが面白かった。海賊王にはなれないのね)
彼はその愚かなまでのまっすぐさが一番の魅力なのだけれど、
その愚かなまでのまっすぐさが悲劇につながっていく。その辺りは残酷だと思った。
それでも、前述したように、ラストのあの表情は。
「平将門」になっていた。
背が高くて、声もよく通る。いい役者に、これからもなっていくだろう。
帳の夜叉丸@早乙女太一。
オイシイ役。
魅せますねえ(ため息)。またしても剣士役なので、殺陣を堪能。
セリフ回しとかも上手くなってると思います(上から目線)
今回は実弟・早乙女友貴君との「兄弟対決」が売りの一つだったんですが、
見ごたえありました~。そういうのをたっぷり見せてくれるのも、
新感線の魅力の一つですよね。
川原さんとの立ち回りもすごかった。
桔梗@高田聖子。
おお、「いい女」バージョンの聖子ねえさんだ!
こういう聖子さん、ついでに女二人のこういう関係性、大好きです(最近何回も言ってるな、私…)
伊予の純友@粟根まこと。
おお、こういう粟根さんは(私が見るのは)初めてかもしれない!
外見、ジャック・スパロウです!!(海賊だから)
ミュージカルシーンでは軽快に歌って踊って。
素直にカッコ良かったです。
黒馬鬼@橋本じゅん。
…じゅんさん、プロですねえ。
いや、たぶん、いい役なんだろう。いいキャラだったさ。
義理堅くて、まっすぐで、熱くて。じゅんさんにふさわしい味方キャラだ。
しかし…(笑)
いや、あの役でシリアスできるのがすごいっすよ、じゅんさん(爆)
この御三方に関して、「さすが」だけでない感想が書けるのが嬉しいです。
新感線、まだまだ引き出しがあるんですねえ。
邦香@森奈みはる(歴史上の「平国香」は男性ですが、ここは上手いアレンジ)。
…本当に、宝塚の娘役トップだったんですよね?
ってぐらいに、新感線の空気に馴染んではりました。さすが「準劇団員」。
歌の上手さはさすが。物語に欠かせない存在。
弾正淑人@梶原善。
藤原純友と渡り合った、実在の人物らしいです。
ベテランらしい「食わせ者」の顔と、実は人道主義者、理想主義者な面。
善さんがいるから、物語がきちんと締まった。
そして平幹二郎!!
ラスボス降臨。
二役の演じ分けも見事でしたわ~。
藤原忠平って、時代合ってるのか?と見ているときは気になったんですが、
実際に、平将門は忠平に仕えていたんですね。
そして忠平の兄・仲平の別名は「枇杷左大臣」。
これが、左大臣・枇杷麿@右近健一の名前の由来か。
中島さんの脚本は、そういう風に後で調べても楽しいのが良い。
見終わった時には、心の中にも、草原を吹き渡る一陣の風が吹くような、そんな作品でした。
もう一回、今度はゲキ×シネで、見たいと思う。
客演の松山ケンイチ&天海祐希は、生で見るの初めてです。
(天海さんの前回出演、「薔薇とサムライ」はゲキ×シネのみ。)
松ケン氏に関しては、何をおいても大河ドラマ「平清盛」を溺愛しています(笑)
その上、題材が承平天慶の乱(平将門&藤原純友)となったら、
期待しないわけないじゃないですか!!
今回は東京公演が先だったのですが、あまり情報は入れずに行きました。
パンフレットを買って初めて、「松ケンが将門か~」とわかったぐらいです(爆)
舞台は「日の本」、実在の人物も何人も出てくる「なんちゃって日本史」(パンフより)。
革命を夢見た人々の挑戦と挫折の物語。
安定の「あて書き」なんだけど、今回、特に強く感じたのは、
主演2人、蒼真@天海祐希と、小次郎@松山ケンイチが、
それぞれの見せ場で最大限魅力的になるように、逆算して書かれているな~ということ。
小次郎はかなりの脳筋キャラで、恋ができるかどうかは微妙な感じなんだけど(おい)
それでもあのラストには惚れた。
そして、あのラストに行きつくためにそれまでがあるのだと納得できた。
蒼真は最初から勿論見た目はカッコいいんだけど、
俄然魅力を増すのは覚醒してから。でも、それまでも丁寧に伏線は張られていて。
覚醒後の姿は文句なし!
最初に、あの「覚醒」と、あの「結末」があって、そこがゴールだと決まっている。
だから、もう一回見たい。結末がわかった上で、最初から見たい。
ゲキ×シネ待ちかなあ。
薔薇サムのときも思いましたが、天海さん&森奈さんが出ているが故の、
ヅカパロディが結構目についた。
一幕ラストもヅカっぽい、ってか、王道ミュージカルっぽいのですが(レミゼっぽいとも言える)
坂東の民たちの嘆きの歌が、あまりにも「ミルク!」(エリザベート)そのまんまだった…
「♪新しい時代を この手でつかみ取ろう!」の部分の不協和音までばっちり。
後は、新感線の動物部門が凄すぎる(笑)
「新感線の動物部門なめたらあかんで!」by軍鶏@堤真一from「蜉蝣峠」
いやあ、過去にも、「アオドクロ」のイノシシとか鳩ちゃんとか、
「シレンとラギ」のイヌとか(ちょっと違うか)「蜉蝣峠」の軍鶏とか軍鶏とか(ちょっと違うか)
いましたが、今回の馬軍団は凄すぎる!!
3階からみていましたがすごい迫力でした。
宝塚の「前田慶次」も、この要領で松風登場させたらいいんじゃないかな?(無理)
(ジェンヌさんにこういう役やらせたら、その人のファンから暴動起きると思う…)
実際の「乱」を題材にしている以上、物語が悲劇で終わるのはわかっている。
そして乱の終結後も、「平安時代」は続いていく。それこそ、平清盛が現れるまで。
そういう意味では、「髑髏城」的な痛快エンタメにするのも、
「蛮幽鬼」的なカタストロフにするのも困難な題材。
物語としては、「真田十勇士」に近い気もした。
一矢報いる、的な。
上手いな、と唸ったのは、「俵藤太」の使い方。
(藤原秀郷の別名だけど、滋賀県民なので「俵藤太」のほうが馴染みがある。)
この名前が、あんなに悲しい意味を持つとは。
主人公は蒼真@天海祐希だけど、彼女は「外つ国の者=渡来の民」という設定で、
本来は起こっていることを俯瞰的に見ることができる人物。
それが、運命の偶然から巻き込まれ、やがて、乱の中心となる。
彼女が中心になってからが、物語の実質的なスタート。
「将門御前」となって兵を率いる姿の凛々しさ! カッコ良さ!
まさしく、「天海祐希」の本領発揮、で、これを描くための作品だったのか、と納得。
将門小次郎@松山ケンイチ。
高平太が、いた。
カメレオン俳優・松ケンだけど、あて書きすると高平太になるのか。
いかにも山出し、という武骨さと単純さ(ほめてます)。
武器は刀じゃなくて剣だし。エクスカリバー抜く場面があるし(違)。
とっても懐かしくて嬉しかった。「また会えたね」って感じ。
(でも今回は「海が苦手」なのが面白かった。海賊王にはなれないのね)
彼はその愚かなまでのまっすぐさが一番の魅力なのだけれど、
その愚かなまでのまっすぐさが悲劇につながっていく。その辺りは残酷だと思った。
それでも、前述したように、ラストのあの表情は。
「平将門」になっていた。
背が高くて、声もよく通る。いい役者に、これからもなっていくだろう。
帳の夜叉丸@早乙女太一。
オイシイ役。
魅せますねえ(ため息)。またしても剣士役なので、殺陣を堪能。
セリフ回しとかも上手くなってると思います(上から目線)
今回は実弟・早乙女友貴君との「兄弟対決」が売りの一つだったんですが、
見ごたえありました~。そういうのをたっぷり見せてくれるのも、
新感線の魅力の一つですよね。
川原さんとの立ち回りもすごかった。
桔梗@高田聖子。
おお、「いい女」バージョンの聖子ねえさんだ!
こういう聖子さん、ついでに女二人のこういう関係性、大好きです(最近何回も言ってるな、私…)
伊予の純友@粟根まこと。
おお、こういう粟根さんは(私が見るのは)初めてかもしれない!
外見、ジャック・スパロウです!!(海賊だから)
ミュージカルシーンでは軽快に歌って踊って。
素直にカッコ良かったです。
黒馬鬼@橋本じゅん。
…じゅんさん、プロですねえ。
いや、たぶん、いい役なんだろう。いいキャラだったさ。
義理堅くて、まっすぐで、熱くて。じゅんさんにふさわしい味方キャラだ。
しかし…(笑)
いや、あの役でシリアスできるのがすごいっすよ、じゅんさん(爆)
この御三方に関して、「さすが」だけでない感想が書けるのが嬉しいです。
新感線、まだまだ引き出しがあるんですねえ。
邦香@森奈みはる(歴史上の「平国香」は男性ですが、ここは上手いアレンジ)。
…本当に、宝塚の娘役トップだったんですよね?
ってぐらいに、新感線の空気に馴染んではりました。さすが「準劇団員」。
歌の上手さはさすが。物語に欠かせない存在。
弾正淑人@梶原善。
藤原純友と渡り合った、実在の人物らしいです。
ベテランらしい「食わせ者」の顔と、実は人道主義者、理想主義者な面。
善さんがいるから、物語がきちんと締まった。
そして平幹二郎!!
ラスボス降臨。
二役の演じ分けも見事でしたわ~。
藤原忠平って、時代合ってるのか?と見ているときは気になったんですが、
実際に、平将門は忠平に仕えていたんですね。
そして忠平の兄・仲平の別名は「枇杷左大臣」。
これが、左大臣・枇杷麿@右近健一の名前の由来か。
中島さんの脚本は、そういう風に後で調べても楽しいのが良い。
見終わった時には、心の中にも、草原を吹き渡る一陣の風が吹くような、そんな作品でした。
もう一回、今度はゲキ×シネで、見たいと思う。
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