空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

宙組「ベルサイユのばら-オスカル編-」

2014-05-05 20:44:17 | 観劇(タカラヅカ)
♪巡り来て三度咲く薔薇の花~ 昨年から3作目の、大劇場ベルばらです。(ネタバレありです)

前日にNHKスペシャルの宝塚特集を見ていたので、弥が上にも高まる期待。
いや、結局は「ベルばら」なのですが、
榛名由梨さまの超スパルタ指導が入っていたフィナーレの「薔薇のタンゴ」(去年なかったし)とか、
初日の感想でいろいろ聞いていた話等々、見たいものはたくさんございまして。

またまたご縁をいただいたチケットで、見てきました。

【ベルサイユのばら-オスカル編-

 オスカル:凰稀かなめ
 アンドレ:朝夏まなと
 ロザリー:実咲凜音
 アラン:緒月遠麻
 ジェローデル:七海ひろき
 ベルナール:蓮水ゆうや

まずは、世界の常識から。

かなめオスカル(テルカル)が、超絶美しい。

いや、去年も見ましたよ?
雪組に特出していたテルカルを。
美しかったですよ? 当然。

1年ぶりに生で見ると、改めて感歎。
(いや、本音を言うと、ウィッグは前回のほうが好きです…個人的には。)

テルカルは、女々しくない。
必要以上に女っぽくならない。
それでも、わかる。彼女が「女の子」であることは。
強くて凛々しい、ハンサムウーマン。

ジェローデルの求婚を断るところで、「軍神マルスの子として生きる」宣言があったのが良かった。
まあ、それはジェロちゃんでなくパパに言うべきだと思ったけどね。

感情の揺れが自然なので、どのあたりでアンドレを意識し始めたのかがよくわかる。
バスティーユでの悲痛な「アンドレ…」に泣かされたのは、去年と同じ。
きゅーっと、胸が締め付けられる。

対する、まぁ君アンドレ。
クラシカルな魅力。正統派の輝き。
やっぱり御曹司、なんだよなあ。
熱くて、包容力のあるアンドレでした。
毒殺未遂に病的さは無く、まっすぐな故の暴走に見えた。
他の道が思い浮かばない、って感じの。
そして、正統派の「白さ」があるのに、どこか「男」を感じさせるのもまぁドレの良さかな。
結構、ドキドキしました。そしてオスカルへの思いにぶれがない。
激高するジャルジェ将軍からオスカルを庇うシーンがあったのも良かった。
最期の場面も熱演でした。

緒月アラン。
テルキタ、お似合い過ぎ。
雪組時代に人気があったのも納得。オスカル姫を守る、正しい騎士(ナイト)。
この人がいてくれれば安心。
この人に見守ってもらえれば、オスカルアンドレのカップルも安心。
(いやそれは原作的にどうよ?)
バスティーユで絶命したオスカルへの表情に泣かされた。
このアランなら、「外伝ベルナール編」(アラン編にあらず)に繋がっても納得。
緒月さんのアンドレもやっぱり見たいなあ。

かいちゃんのジェローデル。
美しい! ビジュアル最高!
役柄的に一番おいしいのはジェローデルだと思うのですよ。
新場面の追加と、革命場面の改善によって。
だから日数を重ねれば、もっともっと素敵になると思う。

ちーちゃんのベルナール。
退団、勿体ないよう…(涙)
時折、少し狂気の影が見えるのが面白かった。狂信的というか。
一つ間違えばショーヴランになりえる感じ。
(で、去年の「愛革」のみーちゃんを思い出す。みーちー大トリオは遠い過去…)
フィナーレはちーちゃんを探してオペラを動かしていました。


今回のベルばらは新場面いっぱい、新しい「ベルばら」。

出だしは何と、オスカルの誕生から!
部屋にクリスマスツリーがあったりして、
「そう言えばオスカルってクリスマス生まれだっけ」と思い出したり。
ここ数作必ずあった、オスカルとアンドレの出会いはカット。

説明セリフが多い&長いのは最早諦めているけれど、とうとう、
セリフでさえなく、ナレーションになった(笑)
ジャルジェ将軍が「神」に語りかける、という形だけど。
2幕冒頭も「嵐は 嵐は」で開幕し、小公女たちが状況を説明する。

汝鳥さまがどうこうではなく、たまにはスマートなジャルジェ将軍が見たいです(爆)

衛兵隊掌握シーンも省略(月組ではかなり詳細にあった)、
次の場面ではいきなりオスカルになつく…でもなつききってない衛兵隊。

宝塚版ベルばらで、まさかの「テニスコートの誓い」(ただし舞台は路上)。
平民議員を守るためのブイエ将軍とのバトル→ジェローデル率いる近衛隊との対峙。
うん、この場面はあったほうが良い。
ツッコミ所はいっぱいあるけど良いシーンだ。
(封鎖された扉を開ける、はいらない気がするけど。)
「マドモアゼル…」のくだりがあるからジェローデルの株が急上昇。
でも原作ジェローデルは、オスカルに振られた後でこの態度だからいい男なんだけどな。
この後の、ジャルジェ将軍激高も(今までに比べて)筋が通っていた。
贅沢を言えば、もうちょっと、生命にかかわる緊迫感が欲しかったけど。

一幕ラストは、さあ、お待ちかねの、ペガ子フライングです。
8年前からバージョンアップしてた! ペガ子が!!
8年前は、馬体と翼が質感違い過ぎとか、薔薇の模様のクレーンとかが色々悲しかったけど、
その辺のクオリティは格段に上がっていた! 上げる必要があるかはともかく(爆)
ペガ子が出てきた瞬間の客席…かなり遠慮なく笑いが起こっていたような(汗)
(ベルばらって、ヅカファンよりも一見さんが多いので、反応が正直な感じ…)


改善された点がいっぱいある中で、かなりストレスたまったのは女性陣。
ロザリー、オスカルの家族、衛兵隊の家族。貴族・平民問わず。
「衛兵隊はパリに来ないでほしい」「オスカルはパリに行くべきではない」の波状攻撃。
「パリにはドイツ騎兵隊や竜騎兵が進駐していて民衆は爆発寸前」って何回説明した?
「もういいよ」ってぐらい、同じ話が繰り返される。
しかも、その立ち位置が、ブレブレ。
「オスカルや衛兵隊の身命が心配」だから行ってほしくないのか、
「自分たちが殺されるのではないか怖い」から来てほしくないのか。
(どうも一番心配なのは自分たちっぽいのが辛い)

今回のオスカルは、一幕段階から平民議員の味方なのだから、
ここでぐだぐだと同じ訴えを繰り返す必要ないのになあ。
ロザリーはやっぱり夜這い(違)してくるし。
みりおん、出番少ない上にこんな場面かよ…不憫です。


一方で、「名場面」が結構改善されてた!

「今宵一夜」でオスカルが突然敬語にならないし!(「おまえの妻に…」になった!)
革命場面でジェローデルがオスカルを殴らないし! 最後まで敬語だし!
些細なことだけど、こういうディティールを大事にしてほしいわけですよ。

オスカル死後の世界は新場面。
アンドレが迎えに来てくれないのは寂しいけれども、
天上世界のオスカルが、まさしく、この世のものではない美しさでした。
新曲は微妙だったけどね(おい)


フィナーレは、何とオスカル様の髪型のまま!

薔薇のタンゴは、クラシックな中でも躍動感があって素敵でした。
中心に立つオスカル様がカッコいい!

黒燕尾も金髪のままで。
アップにするとどうしてもボリュームが出てしまうので、
かなめさんのスタイルじゃないと成立しませんね。
途中で髪を下ろした後が中性的で物凄く綺麗だった。

まぁ君の黒燕尾は、花組だなぁ、っていうカッコ良さに溢れています。
かなめさんとの並びも良い感じ。(前の作品ではレットとスカーレットだったんだよね)
…しかし、ここでもテルキタの並びが「神」であることを思い知らされる…

宙組はやっぱりイケメン揃い。
衛兵隊が美しすぎて、もうどうしようかとw(「飾り人形」はどっちだよ、という)

「ベルばら」はもういいよ、と言いながら、色々、新しい可能性が見えた作品だったかなと思います。
まあ一言で言うと、テルカルの美しさに尽きるんですけどね(と、最初に戻る)。

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