新年あけましておめでとうございます。
そして、宝塚歌劇百周年おめでとうございます。
2014年初めての大劇場は、年末の改修工事を経て、色々とマイナーチェンジされていました。
詳しくはこちら(公式)
トイレが綺麗になってたり(鏡のスペースがディズニーランドっぽいw)
ゲートが新設されてたり。
そしてあちこちに「100th」の文字が踊る、お祭り感。
百年に一度、ですからね!
そこに立ち会えるのは幸せです、本当に。
さて、星組さんは相変わらずの人気で、立ち見もいっぱいの盛況っぷり。
百周年の冒頭を飾るのは、新作の超大作!になります。
演出が小池修一郎先生で、
音楽が「ロミオとジュリエット」のプレスギュルヴィックさんで、
演じるのが、ちえねね率いる星組さんですから、クオリティ面では何の不安もありません。
唯一の不安は、
「ナポレオンの生涯って、…面白いの?」という根本的問題だけで(爆)
【眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯に―】
何か、凄かった。
セリも盆も映像も使いまくり、クレーンまで効果的に使っちゃう小池先生の演出も、
お金かけました!ことがよくわかる豪華絢爛で美しい舞台美術も衣装の数々も、
難曲揃いだけれども全くタルくならないプレスギュルヴィックの音楽も、
それを歌いこなすキャストの面々も。
特に、ちえねねの出すオーラのとんでもなさ、
(4年前に見た「ハプスブルクの宝剣」をどうしても思い出すんだけど、
あそこから、ねねちゃん成長したなあ…)
綺羅星のような星組メンバーの輝き、群衆シーンの迫力、
それを下支えする歌ウマ専科さんたちの歌唱力。
どれをとっても、
宝塚の総力を結集しました!感がハンパ無い。
期待以上のものを見せてもらった。
構成としては「エリザベート」とか「モーツァルト!」に似てる。
小池先生がタイトルロールものを作るとこうなる、ってことかな。
それから時代設定がだいたい同じなので、「スカーレット・ピンパーネル」を
どうしても思い出してしまい、世界観の違いが違和感になるww
「あんたショーヴランやったやん!」みたいな。
…っていうか、フランス革命周辺のものが多すぎるんだよね、宝塚って。
大劇場作品のみに絞って整理してもこうなるもんね。
・「ハプスブルクの宝剣」…マリア・テレジア即位(1740)
・「ベルサイユのばら」…バスティーユの戦い(1789)・マリー・アントワネット処刑(1793)
・「スカーレット・ピンパーネル」…恐怖政治期(1793頃)
・「愛と革命の詩」…恐怖政治末期(1794)
・「眠らない男・ナポレオン」…ナポレオン皇帝即位(1804)
・「トラファルガー」…トラファルガー海戦(1805)
・「仮面のロマネスク」…七月革命(1830)
他にも「バレンシアの熱い花」とか「ZORRO 仮面のメサイア」は
ナポレオン支配下からの独立運動の話だったし、
「モンテ=クリスト伯」のエドモン・ダンテスは、
ナポレオンの流刑先で手紙を預かったことで罪にとわれるんだよねとか、
ロシア遠征の場面では「カラマーゾフの兄弟」の「大審問官」が脳内に流れたりとか
(♪かつて無敵の皇帝ナポレオンは この大地にその力 尽き果てた)
色々思い出して結構忙しい(笑)
肝心のストーリーは……
ごめん、これ、面白いのかなあ?
「ナポレオンの一代記」としてはよくできているし、
ナポレオンとジョセフィーヌとのわかりにくい愛が全体の軸になってるのもわかるんだけど、
……山場が無い(ぼそっ)
ヴァンデミエールの反乱もブリュメールのクーデターもアウステルリッツの会戦も、
どれもさらっと流れていってしまうのがなあ…。
それから、キリスト教との関係がわかりにくいよね。
ナポレオンの行動動機を「フランス革命の理念継承」にしたのは良いと思ったんだけど
(冒頭「コルシカ人だから」と差別される場面もあったし)
フランス革命が否定したものの中に「キリスト教的秩序」も含まれていて、
だからナポレオンとジョセフィーヌは神前式は挙げないし戴冠式も自分で王冠をかぶるし、
そしてそれをナポレオンの母が受け入れられない、っていう対立軸を
……入れたら余計にややこしくなるかなあ。でも欲しかったなあ。
いや、山場がなくてもこれだけ盛り上げるのはすごいと思うんですよ!
演出も、音楽も、キャストも!
力技だな~と思う。
構成として上手いな、と思ったのは、最後に
ナポレオン2世@みっきーにグランマルモン@英真さんが歌う「もしもあなたが…会えたら」が、
前半でナポレオンにウジェーヌ@琴ちゃんが歌うのに対応していたところかな。
ここはちょっと泣きそうになった。
男役も娘役もいっぱい役があってそれぞれに見せ場があって、
点呼とってるだけで楽しかったですが、何よりも、
タレーラン@みっちゃん!!
…みっちゃんが、本気で美形役やってます。美形悪役やってます!!
何あれカッコいいんですけど。
今まで見たみっちゃんの役で一番カッコいいんですけど!!(落ち着け)
タレーランって「ウィーン会議のフランス代表だよね…」ぐらいの知識しかなかったけど、
有能で老獪で、常に腹に一物ある感じが良いですね。
そして滲み出る高貴さ! 若造じゃない感じが素敵。
これだけのものを創り上げるのは本当に大変だっただろう…っていうか現在進行形で大変だろう…
と思うので、星組さんとスタッフの皆さんに敬意を示しつつ、
この1年も宝塚にとって良い年であることを祈ります。
そして、宝塚歌劇百周年おめでとうございます。
2014年初めての大劇場は、年末の改修工事を経て、色々とマイナーチェンジされていました。
詳しくはこちら(公式)
トイレが綺麗になってたり(鏡のスペースがディズニーランドっぽいw)
ゲートが新設されてたり。
そしてあちこちに「100th」の文字が踊る、お祭り感。
百年に一度、ですからね!
そこに立ち会えるのは幸せです、本当に。
さて、星組さんは相変わらずの人気で、立ち見もいっぱいの盛況っぷり。
百周年の冒頭を飾るのは、新作の超大作!になります。
演出が小池修一郎先生で、
音楽が「ロミオとジュリエット」のプレスギュルヴィックさんで、
演じるのが、ちえねね率いる星組さんですから、クオリティ面では何の不安もありません。
唯一の不安は、
「ナポレオンの生涯って、…面白いの?」という根本的問題だけで(爆)
【眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯に―】
何か、凄かった。
セリも盆も映像も使いまくり、クレーンまで効果的に使っちゃう小池先生の演出も、
お金かけました!ことがよくわかる豪華絢爛で美しい舞台美術も衣装の数々も、
難曲揃いだけれども全くタルくならないプレスギュルヴィックの音楽も、
それを歌いこなすキャストの面々も。
特に、ちえねねの出すオーラのとんでもなさ、
(4年前に見た「ハプスブルクの宝剣」をどうしても思い出すんだけど、
あそこから、ねねちゃん成長したなあ…)
綺羅星のような星組メンバーの輝き、群衆シーンの迫力、
それを下支えする歌ウマ専科さんたちの歌唱力。
どれをとっても、
宝塚の総力を結集しました!感がハンパ無い。
期待以上のものを見せてもらった。
構成としては「エリザベート」とか「モーツァルト!」に似てる。
小池先生がタイトルロールものを作るとこうなる、ってことかな。
それから時代設定がだいたい同じなので、「スカーレット・ピンパーネル」を
どうしても思い出してしまい、世界観の違いが違和感になるww
「あんたショーヴランやったやん!」みたいな。
…っていうか、フランス革命周辺のものが多すぎるんだよね、宝塚って。
大劇場作品のみに絞って整理してもこうなるもんね。
・「ハプスブルクの宝剣」…マリア・テレジア即位(1740)
・「ベルサイユのばら」…バスティーユの戦い(1789)・マリー・アントワネット処刑(1793)
・「スカーレット・ピンパーネル」…恐怖政治期(1793頃)
・「愛と革命の詩」…恐怖政治末期(1794)
・「眠らない男・ナポレオン」…ナポレオン皇帝即位(1804)
・「トラファルガー」…トラファルガー海戦(1805)
・「仮面のロマネスク」…七月革命(1830)
他にも「バレンシアの熱い花」とか「ZORRO 仮面のメサイア」は
ナポレオン支配下からの独立運動の話だったし、
「モンテ=クリスト伯」のエドモン・ダンテスは、
ナポレオンの流刑先で手紙を預かったことで罪にとわれるんだよねとか、
ロシア遠征の場面では「カラマーゾフの兄弟」の「大審問官」が脳内に流れたりとか
(♪かつて無敵の皇帝ナポレオンは この大地にその力 尽き果てた)
色々思い出して結構忙しい(笑)
肝心のストーリーは……
ごめん、これ、面白いのかなあ?
「ナポレオンの一代記」としてはよくできているし、
ナポレオンとジョセフィーヌとのわかりにくい愛が全体の軸になってるのもわかるんだけど、
……山場が無い(ぼそっ)
ヴァンデミエールの反乱もブリュメールのクーデターもアウステルリッツの会戦も、
どれもさらっと流れていってしまうのがなあ…。
それから、キリスト教との関係がわかりにくいよね。
ナポレオンの行動動機を「フランス革命の理念継承」にしたのは良いと思ったんだけど
(冒頭「コルシカ人だから」と差別される場面もあったし)
フランス革命が否定したものの中に「キリスト教的秩序」も含まれていて、
だからナポレオンとジョセフィーヌは神前式は挙げないし戴冠式も自分で王冠をかぶるし、
そしてそれをナポレオンの母が受け入れられない、っていう対立軸を
……入れたら余計にややこしくなるかなあ。でも欲しかったなあ。
いや、山場がなくてもこれだけ盛り上げるのはすごいと思うんですよ!
演出も、音楽も、キャストも!
力技だな~と思う。
構成として上手いな、と思ったのは、最後に
ナポレオン2世@みっきーにグランマルモン@英真さんが歌う「もしもあなたが…会えたら」が、
前半でナポレオンにウジェーヌ@琴ちゃんが歌うのに対応していたところかな。
ここはちょっと泣きそうになった。
男役も娘役もいっぱい役があってそれぞれに見せ場があって、
点呼とってるだけで楽しかったですが、何よりも、
タレーラン@みっちゃん!!
…みっちゃんが、本気で美形役やってます。美形悪役やってます!!
何あれカッコいいんですけど。
今まで見たみっちゃんの役で一番カッコいいんですけど!!(落ち着け)
タレーランって「ウィーン会議のフランス代表だよね…」ぐらいの知識しかなかったけど、
有能で老獪で、常に腹に一物ある感じが良いですね。
そして滲み出る高貴さ! 若造じゃない感じが素敵。
これだけのものを創り上げるのは本当に大変だっただろう…っていうか現在進行形で大変だろう…
と思うので、星組さんとスタッフの皆さんに敬意を示しつつ、
この1年も宝塚にとって良い年であることを祈ります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます