原作が好きだったので、見に行きました。
元々、バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』は、
私の原体験の一角を成す、特別な絵本です。
それを意識したタイトルと装丁に惹かれて、原作の『小さいおうち』を手に取り、
夢中になって一気に読了した直後に、映画化が発表されました。
巨匠・山田洋次監督ですから、何の心配もありませんでした。映画のクオリティに。
役者も映像も音楽(久石譲だし)も、素晴らしいものを見せてくれるだろう。
唯一の不安は、この原作のどこが山田監督のツボにはまったのかがわからないこと(笑)
テーマ部分が私のツボじゃなかったら嫌だな、ってことぐらい。
祝日の昼間、映画館の客席は、年齢層が高い!!(笑)
そうだよなー、山田監督だもんな。
見終わって……
期待通りのクオリティ。
ディティールの美しさが素晴らしいですね。
標題の「小さいおうち」の洋間も和室もお庭も、
奥様たちの着物も所作も小道具も、
レコードも絵本(『コドモノクニ』!『ちいさいおうち』!)もマンガ本も、
細部まで手を抜かない、こだわりが見える。眼福。
贅沢を言えば提灯行列とか花列車とか、
「帝都・東京」の華麗な街並み(原作で好きだった要素の一つ)を
映像で見たかったかな。
「小さいおうち」も、もっと舐めるように全ての部屋を(タキ目線でも板野目線でもいいから)
見せてくれたら、嬉しかったかな~。
まあ、贅沢ですけど。
そこにかぶさる久石ミュージックの美しさ、そして贅沢な俳優陣。
時子というキャラクタは、
原作読んだときはもっと天衣無縫なキャラをイメージしていたので、
松たか子だとちょっと理知的すぎるかなと懸念していたのですが、
説得力のある「美しい奥様」でした。
着物の着こなしとかちょっとした所作が綺麗なんだよな~。
そしてタキ@黒木華が素晴らしかった!
「十分別嬪やんw」ってツッコんでしまうけど、健気でいじらしくて、
感情移入できる視点人物。
私が原作に惹かれたポイントの一つが時子とタキの関係性だけど、
予想よりも明確に、直接的に表現されていたと思う。
タキが何故ああいう選択をしたのか、という点についての答え。
睦子@中嶋朋子のシーンによって、説得力が生まれていた。
出番は少なかったけど、さすがの存在感。
板倉@吉岡秀隆(よく考えたら「北の国から」の兄妹で出てたのね)。
原作だとタキに感情移入して見てたから、
聖域をかき乱す板倉の存在が邪魔に感じるところも多かったのだけれど、
映像で見たら、時子が板倉に惹かれる気持ちはよくわかった。
てか、素敵だった、板倉。
板倉の「戦後」が描かれなかった分(彼の「小さいおうち」は画像で見たかったな~。
彼の闇と病みの中で、時子とタキと恭一が「聖域」だったとわかる絵を。)
出征前のセリフと行動でその思いが表現されていたので、
そこは悪くなかったと思います。
「三角関係」とタケシ@妻夫木聡に言われていたけど、面白い三角形ですよね。
タキと板倉はライバルであり、同志であり、
歯車が一つ違えばこの二人が結ばれる未来もあったと思う。
その妻夫木君も良かったし、旦那様@片岡孝太郎も、
社長@ラサール石井も、橋爪功も吉岡和子も室井滋も、
晩年編の米倉斉加年も倍賞さんも、「お姉さん」夏川結衣も皆とっても良かった。
役者の使い方も贅沢でしたね。
タキの行動を晩年の恭一が「小さな罪」と言うのは言い過ぎにも思えるかもしれないけど、
それはタキの動機がアレだとしたなら納得。てか、そうでないと納得できないとも言える。
映像になると「わかりやすく」なるところがたくさんある。
帯とか、手紙とか。
現代編の謎解きがちょっと「語りすぎ、説明しすぎ」のところもあったけど、
質の高い、良い映画だったと思います。
元々、バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』は、
私の原体験の一角を成す、特別な絵本です。
それを意識したタイトルと装丁に惹かれて、原作の『小さいおうち』を手に取り、
夢中になって一気に読了した直後に、映画化が発表されました。
巨匠・山田洋次監督ですから、何の心配もありませんでした。映画のクオリティに。
役者も映像も音楽(久石譲だし)も、素晴らしいものを見せてくれるだろう。
唯一の不安は、この原作のどこが山田監督のツボにはまったのかがわからないこと(笑)
テーマ部分が私のツボじゃなかったら嫌だな、ってことぐらい。
祝日の昼間、映画館の客席は、年齢層が高い!!(笑)
そうだよなー、山田監督だもんな。
見終わって……
期待通りのクオリティ。
ディティールの美しさが素晴らしいですね。
標題の「小さいおうち」の洋間も和室もお庭も、
奥様たちの着物も所作も小道具も、
レコードも絵本(『コドモノクニ』!『ちいさいおうち』!)もマンガ本も、
細部まで手を抜かない、こだわりが見える。眼福。
贅沢を言えば提灯行列とか花列車とか、
「帝都・東京」の華麗な街並み(原作で好きだった要素の一つ)を
映像で見たかったかな。
「小さいおうち」も、もっと舐めるように全ての部屋を(タキ目線でも板野目線でもいいから)
見せてくれたら、嬉しかったかな~。
まあ、贅沢ですけど。
そこにかぶさる久石ミュージックの美しさ、そして贅沢な俳優陣。
時子というキャラクタは、
原作読んだときはもっと天衣無縫なキャラをイメージしていたので、
松たか子だとちょっと理知的すぎるかなと懸念していたのですが、
説得力のある「美しい奥様」でした。
着物の着こなしとかちょっとした所作が綺麗なんだよな~。
そしてタキ@黒木華が素晴らしかった!
「十分別嬪やんw」ってツッコんでしまうけど、健気でいじらしくて、
感情移入できる視点人物。
私が原作に惹かれたポイントの一つが時子とタキの関係性だけど、
予想よりも明確に、直接的に表現されていたと思う。
タキが何故ああいう選択をしたのか、という点についての答え。
睦子@中嶋朋子のシーンによって、説得力が生まれていた。
出番は少なかったけど、さすがの存在感。
板倉@吉岡秀隆(よく考えたら「北の国から」の兄妹で出てたのね)。
原作だとタキに感情移入して見てたから、
聖域をかき乱す板倉の存在が邪魔に感じるところも多かったのだけれど、
映像で見たら、時子が板倉に惹かれる気持ちはよくわかった。
てか、素敵だった、板倉。
板倉の「戦後」が描かれなかった分(彼の「小さいおうち」は画像で見たかったな~。
彼の闇と病みの中で、時子とタキと恭一が「聖域」だったとわかる絵を。)
出征前のセリフと行動でその思いが表現されていたので、
そこは悪くなかったと思います。
「三角関係」とタケシ@妻夫木聡に言われていたけど、面白い三角形ですよね。
タキと板倉はライバルであり、同志であり、
歯車が一つ違えばこの二人が結ばれる未来もあったと思う。
その妻夫木君も良かったし、旦那様@片岡孝太郎も、
社長@ラサール石井も、橋爪功も吉岡和子も室井滋も、
晩年編の米倉斉加年も倍賞さんも、「お姉さん」夏川結衣も皆とっても良かった。
役者の使い方も贅沢でしたね。
タキの行動を晩年の恭一が「小さな罪」と言うのは言い過ぎにも思えるかもしれないけど、
それはタキの動機がアレだとしたなら納得。てか、そうでないと納得できないとも言える。
映像になると「わかりやすく」なるところがたくさんある。
帯とか、手紙とか。
現代編の謎解きがちょっと「語りすぎ、説明しすぎ」のところもあったけど、
質の高い、良い映画だったと思います。
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