やっぱり1人2役バージョンが好き。
3シーズン目にして、13年ぶりに復活した「織田信長の2人の影武者」の設定。
主演役者の1人2役。
今回は、松山ケンイチ。
カメレオン役者の異名を取る彼が、どんな演じ分けを見せてくれるのか。
パンフレットを見る限り、いのうえ・中島両氏は、
「影武者」設定を『髑髏城』の根幹だとは思っていない…とのことで、やや拍子抜け。
でも改めて「2役」バージョンを見ると、これが本来!って感じがしたけどなあ。
勿論、早変わりにばかり注目してしまうという嫌いはあるけどさあ。
沙霧が「影武者を犠牲にして生き残った者」という設定も、
捨之介の「本体が死んだのに生き残ってしまった影武者」の裏返しだからこそ
面白い……というのは個人の感想ですが。
「慣れたものが好き」というのはあるのかもしれませんが、
捨之介と天魔王が共に「信長の影武者」だったからこそ、
死に場所を求めてしまう捨之介の思いもわかるし、天魔王の恐ろしさもわかる。
無界が滅ぶシーンで、『ワカドクロ』と以降の『花』『鳥』では、どうしても
蘭兵衛メインに見えていたのが、天魔王がよりはっきりと「悪」であり「敵」だと思えた。
そして捨之介=天魔王がメインに立つと、蘭兵衛と兵庫ははっきり「サブ」になるなあと。
(逆に沙霧がしっかりヒロインになる。極楽よりも。)
主演俳優が演じると、天魔王の「ラスボス」感が強くて、だから沙霧の
「やっとあいつ倒したのに……」が切実になる。
だけどラストの大仕掛けは復活させずに、
「ラスボスは信長の死霊」という設定を残したのは、こだわりなんだろうなあ。
あと、細かいところで言うと、
『アオドクロ』(2004)のDVDを見まくったので、
無界シーンでの極楽のセリフがとっっっっっても懐かしかった!
あの、転がし方がたまりまへんなあ(笑)
「百人斬り」がギャグ寄りだったのは、ただでさえ2役でしんどい松ケンへの配慮かなあ。
松ケン×橋本じゅんの、ガチの殺陣も見てみたかったけど。
今回の「新感線動物部」by堤真一@『蜉蝣峠』は、タヌキ(笑)
振り切ってますな(笑)
以下、メインキャストの感想。
岸井ゆきの@沙霧。
上手い。
大河『真田丸』で初めて知った子ですが、生で観て「上手さ」を痛感。
新感線っていのうえさんの当て振りになるから、歴代沙霧はみんなだいたい
同じような台詞回しになるんですが、それが実に無理なくスッとこちらに届く。
キュートで強くて、でも油断すると1人で無理をしてしまう、愛しい愛しい「女の子」。
そして正体を明かした後に見せる、「プロフェッショナル」の顔。
そしてかわいかった~。
田中麗奈@極楽太夫。
好きな女優さんなので楽しみにしておりましたが、予想以上に
「若さ」「かわいさ」が前面に出ていましたな。
もうちょっと「酸いも甘いも」知ってる感じでも良かったんだけど、
蘭兵衛とのバランス考えるとこうなるかな~。
兵庫でなくとも、守ってあげたくなってしまう。
前述したように男を転がす小悪魔ぶりが素敵。
向井理@無界屋蘭兵衛。
顔小っさ!!(白目)
縮尺おかしい、やばいよあの小ささは!(まずそこ。)なんちゅうスタイル。
御本人もインタビューでおっしゃってましたが、
(前回キャストが太一君なので、その残像がまだある中で)
あの長丁場の殺陣やるのは大変だよね、うん……。
(どうしても比べてしまってごめんなさい。)
でも、天魔王の手に墜ちるシーンの儚さと色気はピカイチ!!
いや、例えば私がドはまりした『アオドクロ』の染五郎×池内なんかは、
一見、落ちそうにない池内蘭兵衛を落としてしまう染五郎の色気がやばかったのですが、
今回は、単体だと色気に欠ける(失礼)松ケンをムカイリが底上げしていたなあと。
(後は、天魔王と信長が「同じ顔」だと、蘭兵衛が天魔王に屈服するのに説得力があるよね。)
しかも今回はキス2回というサービスぶり。
1回目は「口移し」ではなく、ガチの「キス」という設定だそうです、はい。
天魔王がはっきりと「信長の偽物」なので、
それに命を懸けてしまう蘭兵衛の哀れさが際立っていました。
欲を言えば、蘭兵衛が首に懸けてる数珠の設定はもう復活しないのかな~
あれはなかなかの萌え設定なのですが、個人的に。
山内圭哉@抜かずの兵庫。
最近よくテレビで見るようになった山内さんですが(「あさが来た」とか)
私が最初に認識したのは新感線の『蛮幽鬼』でした。
(あの時は橋本じゅんさんの息子役だったんだよなあ…遠い目)
「若気の至り」でもなく、「おっさんの哀愁」でもなく、
真っ当にリーダーやってる、安定感。
どう見ても悪役!なコワモテと、極楽にメロメロな幼さのギャップがいい感じ。
橋本じゅん@贋鉄斎。
……『薔薇とサムライ』『シレンとラギ』に引き続いての、乙女キャラでした…
新感線でのじゅんさんイメージにそういうのがあるのかなあ?(苦笑)
登場すると場を持って行ってしまう、じゅんさん大好き。
生瀬勝久@狸穴二郎衛門。
上手いよなあ…。
御本人もおっしゃっていたけれど、「儂でもはらわた煮えくりかえることはあるわ」
のところがすごく好き。
しっかりタヌキなんだけど、誠実な人でもある。天下人の器、ってことかな。
河野まさと@裏切り三五。
三五派か渡京派か、と言われると、渡京のほうが好きなんですが、
この役はこの人にしかできないんだよなあ。
そして沙霧との掛け合いがとっても良かった。
そして、「この人に2役をやらせたい」と言わしめた、松山ケンイチ@捨之介/天魔王。
2役だからこそだなあ、と思う。
純粋な「悪」たる天魔王の色気とカリスマ性、
その対極にある飄々とした自由人・捨之介。
そう、私はこんな天魔王と、こんな捨之介が好きなんだ。
天魔王のダークヒーローぶりが圧倒的だから、それと対等に対峙する捨之介の「ヒーロー性」が増す。
ということで、まずは天魔王から。
サイコパス(『ワカドクロ』)・人心掌握の魔物(『花髑髏』)・哀しい青年(『鳥髑髏』)の
どれとも違う、ヒーローになってしまう天魔王。
「信長と同じ顔」であることを最大限利用し、時に大胆に、時に緻密に、冷酷非道な策を発動する。
それはまさしく、「天魔の御霊」だ。
映像の使い方も面白かったです。
そして、洒脱な捨之介。
古田/市川両氏を相当に研究したんだろうなあ、という懐かしさ。
そして沙霧との身長差がいいよね。
ヒーローでありながら、女に弱く、情に脆い、という、古風な良さがよく出ていました。
そしてその2人が「同じ顔」でも、確かに「別人」なのだとわかる、演じ分け。
カメレオン俳優の面目躍如。
とっても面白かったです。
「月」はちょっと遠征はお休みで、ライビュを待ちたいと思います。
「極」は行きたい…
3シーズン目にして、13年ぶりに復活した「織田信長の2人の影武者」の設定。
主演役者の1人2役。
今回は、松山ケンイチ。
カメレオン役者の異名を取る彼が、どんな演じ分けを見せてくれるのか。
パンフレットを見る限り、いのうえ・中島両氏は、
「影武者」設定を『髑髏城』の根幹だとは思っていない…とのことで、やや拍子抜け。
でも改めて「2役」バージョンを見ると、これが本来!って感じがしたけどなあ。
勿論、早変わりにばかり注目してしまうという嫌いはあるけどさあ。
沙霧が「影武者を犠牲にして生き残った者」という設定も、
捨之介の「本体が死んだのに生き残ってしまった影武者」の裏返しだからこそ
面白い……というのは個人の感想ですが。
「慣れたものが好き」というのはあるのかもしれませんが、
捨之介と天魔王が共に「信長の影武者」だったからこそ、
死に場所を求めてしまう捨之介の思いもわかるし、天魔王の恐ろしさもわかる。
無界が滅ぶシーンで、『ワカドクロ』と以降の『花』『鳥』では、どうしても
蘭兵衛メインに見えていたのが、天魔王がよりはっきりと「悪」であり「敵」だと思えた。
そして捨之介=天魔王がメインに立つと、蘭兵衛と兵庫ははっきり「サブ」になるなあと。
(逆に沙霧がしっかりヒロインになる。極楽よりも。)
主演俳優が演じると、天魔王の「ラスボス」感が強くて、だから沙霧の
「やっとあいつ倒したのに……」が切実になる。
だけどラストの大仕掛けは復活させずに、
「ラスボスは信長の死霊」という設定を残したのは、こだわりなんだろうなあ。
あと、細かいところで言うと、
『アオドクロ』(2004)のDVDを見まくったので、
無界シーンでの極楽のセリフがとっっっっっても懐かしかった!
あの、転がし方がたまりまへんなあ(笑)
「百人斬り」がギャグ寄りだったのは、ただでさえ2役でしんどい松ケンへの配慮かなあ。
松ケン×橋本じゅんの、ガチの殺陣も見てみたかったけど。
今回の「新感線動物部」by堤真一@『蜉蝣峠』は、タヌキ(笑)
振り切ってますな(笑)
以下、メインキャストの感想。
岸井ゆきの@沙霧。
上手い。
大河『真田丸』で初めて知った子ですが、生で観て「上手さ」を痛感。
新感線っていのうえさんの当て振りになるから、歴代沙霧はみんなだいたい
同じような台詞回しになるんですが、それが実に無理なくスッとこちらに届く。
キュートで強くて、でも油断すると1人で無理をしてしまう、愛しい愛しい「女の子」。
そして正体を明かした後に見せる、「プロフェッショナル」の顔。
そしてかわいかった~。
田中麗奈@極楽太夫。
好きな女優さんなので楽しみにしておりましたが、予想以上に
「若さ」「かわいさ」が前面に出ていましたな。
もうちょっと「酸いも甘いも」知ってる感じでも良かったんだけど、
蘭兵衛とのバランス考えるとこうなるかな~。
兵庫でなくとも、守ってあげたくなってしまう。
前述したように男を転がす小悪魔ぶりが素敵。
向井理@無界屋蘭兵衛。
顔小っさ!!(白目)
縮尺おかしい、やばいよあの小ささは!(まずそこ。)なんちゅうスタイル。
御本人もインタビューでおっしゃってましたが、
(前回キャストが太一君なので、その残像がまだある中で)
あの長丁場の殺陣やるのは大変だよね、うん……。
(どうしても比べてしまってごめんなさい。)
でも、天魔王の手に墜ちるシーンの儚さと色気はピカイチ!!
いや、例えば私がドはまりした『アオドクロ』の染五郎×池内なんかは、
一見、落ちそうにない池内蘭兵衛を落としてしまう染五郎の色気がやばかったのですが、
今回は、単体だと色気に欠ける(失礼)松ケンをムカイリが底上げしていたなあと。
(後は、天魔王と信長が「同じ顔」だと、蘭兵衛が天魔王に屈服するのに説得力があるよね。)
しかも今回はキス2回というサービスぶり。
1回目は「口移し」ではなく、ガチの「キス」という設定だそうです、はい。
天魔王がはっきりと「信長の偽物」なので、
それに命を懸けてしまう蘭兵衛の哀れさが際立っていました。
欲を言えば、蘭兵衛が首に懸けてる数珠の設定はもう復活しないのかな~
あれはなかなかの萌え設定なのですが、個人的に。
山内圭哉@抜かずの兵庫。
最近よくテレビで見るようになった山内さんですが(「あさが来た」とか)
私が最初に認識したのは新感線の『蛮幽鬼』でした。
(あの時は橋本じゅんさんの息子役だったんだよなあ…遠い目)
「若気の至り」でもなく、「おっさんの哀愁」でもなく、
真っ当にリーダーやってる、安定感。
どう見ても悪役!なコワモテと、極楽にメロメロな幼さのギャップがいい感じ。
橋本じゅん@贋鉄斎。
……『薔薇とサムライ』『シレンとラギ』に引き続いての、乙女キャラでした…
新感線でのじゅんさんイメージにそういうのがあるのかなあ?(苦笑)
登場すると場を持って行ってしまう、じゅんさん大好き。
生瀬勝久@狸穴二郎衛門。
上手いよなあ…。
御本人もおっしゃっていたけれど、「儂でもはらわた煮えくりかえることはあるわ」
のところがすごく好き。
しっかりタヌキなんだけど、誠実な人でもある。天下人の器、ってことかな。
河野まさと@裏切り三五。
三五派か渡京派か、と言われると、渡京のほうが好きなんですが、
この役はこの人にしかできないんだよなあ。
そして沙霧との掛け合いがとっても良かった。
そして、「この人に2役をやらせたい」と言わしめた、松山ケンイチ@捨之介/天魔王。
2役だからこそだなあ、と思う。
純粋な「悪」たる天魔王の色気とカリスマ性、
その対極にある飄々とした自由人・捨之介。
そう、私はこんな天魔王と、こんな捨之介が好きなんだ。
天魔王のダークヒーローぶりが圧倒的だから、それと対等に対峙する捨之介の「ヒーロー性」が増す。
ということで、まずは天魔王から。
サイコパス(『ワカドクロ』)・人心掌握の魔物(『花髑髏』)・哀しい青年(『鳥髑髏』)の
どれとも違う、ヒーローになってしまう天魔王。
「信長と同じ顔」であることを最大限利用し、時に大胆に、時に緻密に、冷酷非道な策を発動する。
それはまさしく、「天魔の御霊」だ。
映像の使い方も面白かったです。
そして、洒脱な捨之介。
古田/市川両氏を相当に研究したんだろうなあ、という懐かしさ。
そして沙霧との身長差がいいよね。
ヒーローでありながら、女に弱く、情に脆い、という、古風な良さがよく出ていました。
そしてその2人が「同じ顔」でも、確かに「別人」なのだとわかる、演じ分け。
カメレオン俳優の面目躍如。
とっても面白かったです。
「月」はちょっと遠征はお休みで、ライビュを待ちたいと思います。
「極」は行きたい…
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます