空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

当る戌年 吉例顔見世興行(ロームシアター)

2017-12-09 22:45:33 | 観劇(タカラヅカ以外)
10年ぶりの顔見世。社会人になってからは初めてです。
(勤務10年目の福利厚生でチケット当たった)
今年は南座が改修中なのでロームシアターでの公演。


お弁当はデパ地下で買って、気分を高めつつ会場へ。
昔の京都会館ですが、トイレとか綺麗になったのが良い感じ。
良席で見やすかったし。

【良弁杉由来 二月堂

顔見世あるあるの一つ(たぶん):出演者が多すぎるのでモブ大量。

セリフもなく「歩くだけ」の坊さん役が多すぎる!!(笑)

藤十郎丈、鴈治郎丈の親子共演。
生き別れた親子の再会物語。なのですが。
…謡で進行する物語、苦手なんです…ごめんなさい。


【俄獅子】
今回の眼目の一つ、親子4人襲名のうち、
息子さん3人、橋之助丈、福之助丈、歌之助丈が鳶役で揃い踏み。
芸者さんが時蔵丈、孝太郎丈で、
10年前に見た同演目よりもだいぶメインキャストが多いな。

華やかでダイナミックで、テンションの上がる演目。
アクロバットがやっぱり魅せるなあ。

【人情噺 文七元結】

元が落語、というのは事前に予習済み。そして長谷川町子のマンガで読んだことがあった。
これはとにかく、芝翫丈と扇雀丈との丁丁発止がものすごかった!!
歌舞伎であんなに客席が爆笑に次ぐ爆笑、って見たことなかった。
そして途中から出てくる七之助丈との掛け合いも面白かった。
面白かったのだけれど、実は途中ほろっと泣いてしまいまして。

文七に金を渡した長兵衛が、
「(金を渡してしまったために身売りを余儀なくされる)娘の健康を祈ってくれ」という箇所。
目の前の人命と、我が子の身と、秤にかけてしまった男の悲しみと仁義に胸を打たれた。

最後にお披露目口上が入る構成。
みんな町人なので衣装が粗末なのですが(笑)あったかい口上でした。
仕切ってくれた仁左衛門丈がさすがの貫禄。


【大江山酒呑童子】
最後に勘九郎丈が全部持っていきました。
ここの兄弟が踊り上手い、のは知ってたつもりなんですが、
まさに「鬼神」の舞。小柄さが気にならない。
童子姿の時の酔っぱらったコミカルさと、時折見せる異形の者の姿の片鱗。
そして後半の正体を明らかにした後の、鬼の姿での迫力の舞。
いいもん見ました。

七之助丈ももっと踊りが見たい、と思わせてくれる美しい動きで。
後は、新・橋之助丈の立役が素敵でした。ビジュアルの美しさって大事。
壱太郎丈(「カズちゃん」)の既に完成されてる女形芸も素晴らしかったなあ。将来が楽しみ。
(声がかわいいの! とにかく。)

顔見世で一年を締めくくれる贅沢。楽しかったです。

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