空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

星組「柳生忍法帖」「モアー・ダンディズム!」

2021-10-05 15:16:00 | 観劇(タカラヅカ)
気づけば最近は観劇感想もTwitterでつぶやいて終わり、が多いのですが、後で読み返すにはブログのほうが楽なので久しぶりに書いてます。

男役・愛ちゃんにお別れをしに行った、星組公演。
ケペル、ルキーニ、ラスプーチン、ベルナルド、キャプテンレッド、ティボルト。
最後らへんは「泣けるほど好き」になってた愛ちゃんのラストを、見届けられて良かった。

【柳生忍法帖】

オープニングが、サイトー作品っぽいなあと思いました。(そこ?)

いやそれにしても、今年の大劇場ラインナップはさすがに偏りすぎだと思うのですよ。
いっくん→ヨシマサ→タクジィって。
(そして締めがまためっちゃオタクくさい…)
それでもいっくんのホームズはどこどこまでもタカラヅカだったし、シティーハンターは新規顧客の開拓に成功していたふしがある。
だからこそ。
タカラヅカで山田風太郎って、誰向けよ?
ターゲットをどの辺に設定しての企画なのか、大野せんせを問い詰めたい気分です。
いや私、大野作品おおむね好きなので点は甘いし楽しんだんだけどさ。
(と、生田先生にも斎藤先生にも言ってます。甘々です。)

てか、大野先生は王朝物がやりたいんじゃなかったっけ?
どうして新作書くたびに、戦国〜江戸のチャンバラものばっかりになるのさ?
(「エル・ハポン」は見られていないので)「NOBUNAGA」が本当に酷かったから心配してたけど、まあまあ面白かったので良かった。
「一夢庵風流記」もそうだったけど、中島かずき(劇団⭐︎新感線)感がありますよね。

こっちゃんの柳生十兵衛も、愛ちゃんの芦名銅伯も、めっちゃハマっていて魅力的だったので、それは良かったのだけれども。
こっちゃんVS愛ちゃんが本筋になってないのが致命的でしたね…

だってこの話、虐げられた女たちの復讐譚で、十兵衛はあくまでも助太刀じゃないですか?
そして七本槍はビジュアルカッコいいしおいしい役だけど、仇として暴虐すぎて(胸糞悪すぎて、とも言う)キャーキャー言いづらいじゃないですか?
大団円でいいんだけどさあ。
物語としてカタルシスはあるんだけど、主人公が蚊帳の外すぎません?

やりようはあったと思うのよね。
だって、同じ「手を貸す」立場の千姫は、紛れもなく主役の一人だったから。
むしろ彼女の戦いでもあったから。
そんな風に、「十兵衛自身の戦いでもある」と描くことはできたんじゃないかなあ。
割りを食ったのが、なこちゃん@ゆらですよ。
女たちが虐げられる場面(しんどい)減らして、ゆらの思いを掘り下げて、十兵衛がゆらに何らかの感情を抱くようにしてあげてほしかった。
あと前半の惚れ薬のくだりは無い方が良かったと思います。
惚れ薬のせいじゃなく、本当に好きになった、と強調したいのなら、惚れ薬の伏線は不要。

登場人物のバランスの悪さは、七本槍全員倒す場面をちゃんと入れようとしたのが足枷になった気がする。


あ、偉そうに言ってますが原作は読んでないです。
山田風太郎は『忍法八犬伝』しか読んだことがなくて、めちゃくちゃ面白いのに男性向けサービスシーンが多すぎて人に勧めにくく語りにくいのが辛かった。
でも大野先生は『一夢庵風流記』でも『蝉しぐれ』(全ツ版「若き日の歌は忘れじ』)でも原作が跡形もなくなってたから、「原作がこうだから〜」ばっかり言ってられないと思うんですよ。
タカラヅカでやろうと言い出した以上は。

歴史オタクぶりは健在で、千姫と天海についてはほぼノー説明でもついてきてね、という潔さが面白かった。

大野せんせの長い解説読みたさに(久しぶりに)プログラム買っちゃったよ。

あ、文句言いまくっても好きなんですよ大野作品。
沢庵和尚繋がりで言うと「夢現無双」より好きです(流れ弾)(これでもサイトー作品にも点は甘いのですよ)。
ぜひ次は王朝物書いてください。衣装の夢夢しさで色々誤魔化しちゃいましょう!(おい)
(「夢の浮橋」大好きです)
(「白鷺の城」も好きです)

【モアー・ダンディズム!】

「ネオ・ダンディズム!」がもう15年前ですか…
こっちゃんも愛ちゃんも(もちろんなこちゃんも)入団もしてないのよね。

当時でさえ古かったので、令和の今見ると昭和感が凄いのですが。
それでも。

文句無しに美しいものっていいよね、と思う。

フレッド・アステア由来の正統派の衣装。
黒燕尾の群舞。
シルクハットとステッキ。
パステルカラーのドレス。
そして軍服。

愛ちゃんの白軍服を見て、凰稀かなめの遺伝子を感じた。
黒燕尾に、朝夏まなとの面影を見た。
私、まぁ様時代の宙組が本当に好きだったんだな。
そんな追憶に呑み込まれる。

謝先生振り付け場面がめちゃくちゃカッコよくて。
歌えて踊れる、ことなこの魅力を堪能する。

愛ちゃんが星組二番手として出演した2本のショーが、中村B先生と岡田先生という、王道オブ王道作品で本当に良かったと思った。
目新しいものは何もない(おい)、でも不要なストレスも無い。
二番手が二番手として、大事に扱ってもらえる。

「アシナヨ」でボロボロ泣きながら、愛ちゃんの姿を見つめていた。
大好きな愛ちゃん。
星組さん、ことちゃん、なこちゃん、愛ちゃんを素敵な二番手にしてくれてありがとうございました。

終演後、軍服の舞台写真買わなきゃ!とキャトルに駆け込んで、発売前であることにがっくりして帰る。
次に花組さん見に行く時まで残ってるでしょうか…
勢いで、キャプテンレッドの付箋買っちゃったよ(笑)

ところで、プログラムにロマンチック・レビューの系譜を掲載するなら、どの曲がどのレビューで使用されたかの一覧も欲しかったです。
「キャリオカ」も「ハードボイルド」も「アシナヨ」も全部聞き覚えあるのに、どこで見たのか思い出せない!
(「ネオ・ダンディズム!」「Amourそれは…」「ロマンス!」「シトラスの風sunrise」は見てるんだけど、そこに登場したのが既にリメイクだったりするから…)
地方公演も含めたロマンチックレビュー・データベース求む。


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