高田郁氏著 人気シリーズ第6弾 澪に大きな転機が訪れる。天満一兆庵の再建が大きく進むであろう話が二つも来て 澪は周囲のことも気にして、二者択一で大いに迷います。お話は二転三転して上手く纏まりますが最後に来た三番目の話は澪が女自身として幸せになるお話でした。
このまま終わって仕舞うのかなという期待半分 残念半分の中 またどんでん返しがあります。
このお話の良いと思うところは 作者の都合で弄らず 彼女自ら道を選び出して行くことです。
話を続ける積もりなら突然の不測の事態が訪れて 彼女の望みがたたれるという設定も有りうるわけで 並みの小説ならそうなったでしょう。
それをしないストーリー作りは 読者を安心させまた続いて読みたくなる気にさせます。
素晴らしい筆力は良質の時代劇をほうふつとさせ 美しい場面の描写はこのお話しが映画やテレビドラマになればいいのにという期待までさせる程です。