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『きたきた捕物帖』 宮部みゆき

2025年01月14日 20時27分40秒 | ■読書
宮部みゆきの連作時代小説『きたきた捕物帖』を読みました。
『この世の春』に続き、宮部みゆきの作品です。

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宮部みゆき、新シリーズ第一巻、待望の文庫化!
二人の「きたさん」が事件に翻弄されつつ成長していく物語で、著者が「生涯、書き続けたい」と願う捕物帖。

舞台は江戸深川。
一人目の「きたさん」こと北一は、亡くなった岡っ引き・千吉親分の本業だった文庫(本や小間物を入れる箱)売りで生計を立てている。
いつか自前の文庫をつくり、売ることができる日を夢見て。

本書では、ちょっと気弱で岡っ引きとしてはまだ見習いの北一が、やがて相棒となるもう一人の「きたさん」こと喜多次と出逢い、亡き親分のおかみさんなど周りの人たちに助けられ、事件や不思議な出来事を解き明かしていく。

北一が住んでいるのは、『桜ほうさら』の舞台になった富勘長屋。
さらに『<完本>初ものがたり』に登場した謎の稲荷寿司屋も、本書の中でその正体が明らかになるという、宮部ファンにとっては見逃せない仕掛けが満載。
宮部ワールドの要となる痛快・人情時代ミステリー。
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PHP研究所から発行されている月刊文芸誌『文蔵』に2018年(平成30年)6月号から2020年(令和2年)4月号に連載された後、2020年(令和2年)に刊行された、 きたきた捕物帖シリーズの第1作です。

 ■第一話 ふぐと福笑い
 ■第二話 双六神隠し
 ■第三話 だんまり用心棒
 ■第四話 冥土の花嫁
 ■解説 先が気になってしかたがない物語 細谷正光

まだ下っ端の見習い岡っ引きで16歳の北一は、亡くなった岡っ引き・千吉親分の本業だった文庫(本や小間物を入れる箱)売りで生計を立てている……やがて自前の文庫を作り、売ることができる日を夢見て、、、

ちょっと気弱で、岡っ引きとしてはまだ見習いの北一が、相棒となる喜多次と出逢い、親分のおかみさんなど、周りの人に助けられながら、事件や不思議なできごとを解き明かしていく物語……宮部ワールドの要となる新シリーズ、優しさあふれる捕物帖。

岡っ引き見習いの若者・北一を主人公にした捕物帖……北一は小柄で力がなく、これまで何度も危ないめに遭っており、一方、相棒の喜多次は長命湯という湯屋の釜焚きで高い身体能力の持主、、、

そんな北一と喜多次が事件に挑んでいくシリーズみたいですね……ちょっと頼りない感じの北一の成長を応援しながら見守るような展開が期待できそうです。

北一の置かれた状況を手際よく描きながら「呪いの福笑い」の奇妙な騒動に導かれていき、千吉親分のおかみさんである松葉がその能力を存分に発揮する『第一話 ふぐと福笑い』、

手習所に通う3人の男の子が奇妙な双六を拾って遊んだ後、次々と神隠し(らしきもの)に遭う『第二話 双六神隠し』、

北一が、もう1人の「きたさん」である喜多次と出逢い、差配人の富勘が誘拐された事件を解決する中で、喜多次の優れた身体能力が明らかになる『第三話 だんまり用心棒』、

前世の記憶を持つ娘の生まれ変わり騒動が殺人事件にまで発展……千吉親分を失った悲しみを抱える松葉が、この1件に激怒し、輪廻転生の欺瞞を暴くために名探偵振りを発揮する『第四話 冥土の花嫁』、

シリーズ第1作ということもり、本作品では登場人物紹介的な展開の物語が多かったかなという印象ですね……ミステリ色が強い『第四話 冥土の花嫁』がイチバン面白かったかな。

どちらかというと次作以降が愉しみな感じ……機会があれば読んでみたいな。
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