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『この世の春〈上〉〈中〉〈下〉』 宮部みゆき

2025年01月12日 20時49分59秒 | ■読書
宮部みゆきの長篇時代小説『この世の春〈上〉〈中〉〈下〉』を読みました。
宮部みゆきの作品は、一昨年の11月に読んだ『返事はいらない』以来なので、久し振りですね。

-----story-------------
〈上〉
藩主の強制隠居。彼は名君か。殺人鬼か。
下野北見藩で起きた政変に潜む「闇」とは?

ごめんくださいまし――。
宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。
応対した各務多紀は、女が連れていた赤子に驚愕する。
それは藩内で権勢をほしいままにする御用人頭・伊東成孝の嫡男であった。
なぜ、一介の上士に過ぎない父が頼られたのか。藩中枢で何が起きているのか。
一夜の出来事はやがて、北関東の小国を揺るがす大事件へと発展していく。
作家生活三十周年記念作。

〈中〉
主君・北見重興に秘められた過去。
謎の核心は、彼の記憶の中に……。

主君・北見重興の押込。
下野二万石の小国は、藩主の強制隠居という激震に見舞われた。
居城から別邸・五香苑へと移った重興は、元家老の石野織部や主治医にも真実を語らず、座敷牢に籠り、時に少年のように、時に女郎のように振る舞って、周囲を困惑させた。
彼は名君主たる人物だったのか。
あるいは、非道な殺人者だったのか。
謎が深まる中、各務多紀との出会いが、重興の心に変化をもたらす。

〈下〉
藩を覆う闇。
根絶やしにされた村。失踪した子ども達。
北見重興の覚醒とともに、全ての真実が明かされる。

ざまをみろ。
父を殺したとき、そして、刺客を討ち取ったとき、北見重興が発した言葉。
元藩主とは思えぬその言動に、どんな因果が秘められていたのか……。
名君と仰がれた今望侯の狂気。
根絶やしにされた出土村。
城下から相次いで失踪した子ども達。
すべての謎は、重興の覚醒とともに真実へと導かれる。
ミステリー。サスペンス。そして、歴史。あらゆる技巧が凝らされた「物語の到達点」。
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新潮社から発行されている週刊誌『週刊新潮』に1年半にわたり連載された後、2017年(平成29年)に刊行された作品です。

 ■第一章 押込
 ■第二章 囚人
 ■第三章 亡霊
 ■第四章 呪縛
 ■第五章 暗雲
 ■第六章 因果
 ■第七章 闇と光
 ■第八章 解明
 ■第九章 愛憎
 ■終章 この世の春
 ■解説 高頭佐和子

小説史に類を見ない、息を呑む大仕掛け……そこまでやるか、ミヤベ魔術! 作家生活30年を飾る記念碑的長編小説、、、

それは亡者たちの声? それとも心の扉が軋む音? 正体不明の悪意が怪しい囁きと化して、かけがえのない人々を蝕み始めていた……目鼻を持たぬ仮面に怯え続ける青年は、恐怖の果てにひとりの少年をつくった。

悪が幾重にも憑依した一族の救世主に、この少年はなりうるのか……21世紀最強のサイコ&ミステリ、ここに降臨!

錯乱状態にある北見藩藩主重興が主君押込というお家安泰のための最終仕儀、家臣による強制隠居に遭い、重興に重用され低い身分から御用人頭まで成り上がり権勢を振るっていた伊東成孝とともに藩主の別邸・五香苑に捕らえられる……隠居した元作事方組頭の各務数右衛門の娘・多紀は、従弟の田島半十郎により五香苑に連れて行かれ、元家老の石野織部や主治医の白田登等とともに、重興にお仕えしつつ、、、

死者の魂を呼び出す「御霊操(みたまくり)」の能力を持つ一族の暮らす村を襲った悲劇、

18年前に始まる連続少年失踪事件、

の謎を解き、重興に巣食う心の闇……死者の恨みなのか? 何者かの呪いなのか? 見え隠れする悪意の正体を明らかにするとともに、関連する事件を解決していく物語でした。

中盤から終盤にかけて伏線が繋がり、謎が解けていく展開が愉しめましたが……それにしても、ちょっと長い、、、

時代小説だけどミステリ色が強くて面白かったけど、集中力が持続できなかったですねー ちょっと残念でした。

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