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『チャイナ蜜柑の秘密』 エラリー・クイーン(著),越前敏弥,青木創(翻訳)

2021年12月15日 19時52分00秒 | ■読書
アメリカの作家「エラリー・クイーン」の長篇ミステリ作品『チャイナ蜜柑の秘密(原題:The Chinese Orange Mystery)』を読みました。


アメリカ銃の秘密に続き、「エラリー・クイーン」の作品です。

-----story-------------
「クイーン」の最大傑作と激賞した国名シリーズ第8弾

出版社の経営者であり、切手収集家としても有名な「カーク」
彼が外から「エラリー」と連れ立って帰ると、一人の男が全てが逆さになった密室状態の待合室で死んでいた。
謎だらけの事件を「エラリー」が鮮やかに解決する
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1934年(昭和9年)に刊行された「エラリー・クイーン」のミステリ長篇で国名シリーズの第8作… 『ニューヨーク・タイムズ』「クイーン」の最大傑作と評価している作品です。


「チャイナ・オレンジ」など稀少な切手の収集家として知られる出版社社長「ドナルド・カーク」が住居兼事務所として使うNYのチャンセラー・ホテル22階の待合室で、火掻き棒で頭蓋骨を粉砕された男の死体が見つかった… 外出先から、友人の「クイーン」を伴い、晩餐会に出席するため、事務室に寄った時の出来事だった、、、

殺された男の正体は誰もわからない… ただ、死人の衣服が前後逆に着せられており、部屋の中も何もかも逆向きだった……。

「カーク」の友人である「エラリー」は、犠牲者が、すべてが西洋とは「さかさま」な東洋に関連していると主張するが……。


着衣が全て後前になっており、待合室の書棚や絵画、テーブルの抽斗、時計から絨毯に至るまでありとあらゆるものが逆さまになった部屋… そして、誰も心当たりがないという被害者は誰か… という謎を解く展開、、、

魅力的で興味深い殺人現場… 想像もできないシチュエーションですねー 展開が全く想像できずワクワクしながら読み進めました。

辿り着いた真実は、あるひとつの隠したいことのために全てのものを逆さまに… ということが判明するのですが、、、

シャツのカラーの使い方やネクタイの着用等々、当時の文化やファッションに詳しくないと想像すらできないですねー そして、ドアに閂をかけるトリック(密室殺人ではないですが、密室トリックっぽいトリックがあるのも面白かったんですけどね… )が複雑過ぎて文章で解説されても理解不能でしたね… 解説に図解があったので、それを見て、ようやくイメージが沸いた感じ。


本作品も読者への挑戦… がありましたが、こりゃ、全くわかんないですよねー でも、読み物としては愉しめました。

ちなみに本作品、邦題が複数あるようで… 『チャイナ蜜柑の秘密』の他に『中国切手殺人事件』『チャイナ橙の謎』『チャイナ・オレンジの秘密』というタイトルで出版されているようです。


以下、主な登場人物です。

「ヒュー・カーク博士」
 七十歳を越えた学者。チャンセラー・ホテルに書斎と住居を持つ。

「ミス・ディヴァシー」
 博士の世話をしている付き添いの看護婦。

「ドナルド・カーク」
 博士の息子、出版社社長。
 宝石・切手の収集家として有名。
 チャンセラー・ホテルに会社事務所と住居を持つ。父や妹と同居。

「マーセラ・カーク」
 博士の娘。ドナルドの妹

「ジェームス・オズボーン」
 ドナルド・カークの秘書

「ハッペル」
 カーク家の執事

「フェリックス・バーン」
 ドナルドの共同経営者

「グレン・マクゴワン」
 ドナルドの親友

「シェーン夫人」
 チャンセラー・ホテル二十二階の受付係

「ナイ」
 ホテルの支配人

「ブラマー」
 ホテルの探偵

「アイリーン・リューズ」
 宝石専門の女詐欺師

「ジョー・テンプル」
 中国で育ったアメリカ女性、作家志望

「プラウティ医師」
 検死官。

「ジューナ」
 クイーン家の召使

「トマス・ヴェリー」
 ニューヨーク警察の部長刑事。

「リチャード・クイーン」
 警視。ヴェリー部長の上司。

「エラリー・クイーン」
 犯罪研究家

「被害者」
 正体不明の人物


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