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『フォルトゥナの瞳』 百田尚樹

2018年12月07日 21時33分00秒 | ■読書
「百田尚樹」の長篇作品『フォルトゥナの瞳』を読みました… ジャンル的にはSFかな。


カエルの楽園に続き、「百田尚樹」作品です。

-----story-------------
男には「他人の死の運命」が視えた。
生死を賭けた男の選択に涙する、愛と運命の物語。

幼い頃に家族を火事で失い天涯孤独の身となった「木山慎一郎」は友人も恋人もなく、自動車塗装(コーティング)工として黙々と働くだけの日々を送っていた。
だが突然「他人の死の運命」を視る力を手に入れ、生活は一変する。
はじめて女性と愛し合うことを知った「慎一郎」「死の迫る人を救いたい」という思いは、無情にも彼を窮地へと追いやり……。
生死を賭けた衝撃のラストに心震える、愛と運命の物語。
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自動車のコーティング工場で働く「木山慎一郎」は、仕事帰りの電車の中で信じられない光景を目の当たりにした… 正面に立っているサラ―リマンの手が透けて見えるのだ、、、

その時は、何かの見間違いであろうと思っていたが、その後も体が透けて見える人間を何度も見かけるようになった… やがて、「慎一郎」は、人の体が透けて見えることの意味を知ることになる。

体が透けて見えるのは、その人に死期が近づいていることを意味していた… 死期が近づくにつれ、その人の体の至るところがどんどん透けて見えるようになるのだ、、、

さらに、自分がその人に何らかの働きかけをすることにより、死を回避できる場合があることも知った… 死を回避できた瞬間に、その人の透けていた体は一気に元にもどるのだった。

ある日、携帯電話の故障を見てもらうために携帯ショップに行った「慎一郎」は、接客してくれた女性のショップ店員の指が消えかけていることを発見し、その女性に死期が近づいていることを知った… その後も何度がその携帯ショップを訪れたが、その女性の体の透けている部分は日に日に増しているようだった、、、

何とかその女性を助けてあげたいと思った「慎一郎」は、「大切な話があります」と言って、その女性に声を掛けた… そして、彼女の仕事が終わった後にスタバで会う約束をした。

スタバで「慎一郎」が待っていると、彼女が現れ、彼女の透けた体が元に戻っていた… 「慎一郎」が声を掛け、呼び出したことで、彼女の死は回避されたのだ、、、

やがて「慎一郎」は、その女性と付き合うことになった。女性の名前は「桐生葵」といった… 「葵」と付き合うことになって幸せの絶頂にいた「慎一郎」だったが、同じ能力を持つ「黒川」という医者から、死期の迫った人を助けると、その度に自分の寿命が短くなることを知らされる。

「慎一郎」にも心当たりがあった… 人を助けることができたと分かった瞬間(つまり、死期の迫った人の透けていた体が元に戻った瞬間)から、いつも胸を締め付けるような痛みが「慎一郎」を襲っていたからだ、、、

「葵」と歩むことになるかもしれないこれからの幸せな人生を、赤の他人の命を助けるために終わらせたくないと考えた「慎一郎」は、死期が近づいている人間を見かけても無視することを決断した… それは、心優しい「慎一郎」には苦渋の決断であった。

だが、ある時から、体の透けた人間を頻繁に目撃するようになった… 「慎一郎」は、一度に多くの人の命が奪われるようなことが間もなく起きるに違いないと想像する、、、

「その原因を予見することが出来れば、自分は多くの人の命を助けることができる… しかし、そうすれば自分は死ぬことになるかもしれない」 いつまでも愛する「葵」のために生きていたい「慎一郎」は、自分に与えられた能力のせいで苦悩する。

そして、「慎一郎」が選んだ人生の選択とは!?

「慎一郎」が多くの人の命を救うための行動を選択することは予想できましたが… それを「葵」が予見していたところは予想外でしたねぇ、、、

まさかね… 500ページ近い長篇でしたが、読みやすくて、一気に読めました。

本作品、映画化されて来年2月に公開されるようです… 機会があったら観てみたいな。



以下、主な登場人物です。

「木山慎一郎」
 特殊能力を手にした青年。
 自動車塗装(コーティング)工。

「桐生葵」
 携帯ショップの店員であり、木山の恋人。

「遠藤」
 木山の恩人であり、彼が務める自動車工場の社長。
 木山の腕を信頼している。

「金田」
 木山をいじめる同僚。
 素行は悪いが、腕は確か。

「真理子」
 木山の元同僚で憧れの女性。
 麻薬に手を出し、風俗に墜ちてしまう。

「黒川」
 木山と同じ能力を持つ医師。





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