【映画パンフレット】 シン・ゴジラ SHIN GODZILLA 監督 庵野秀明 キャスト 長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ | |
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東宝 |
昨晩レイトショーで「シン・ゴジラ」を観できました。
「ロストバケーション」と同じTOHOシネマズでしたが今回はTCXというLARGE SCREEN。でかい。いつもと同じ感覚で席を選んだら少し見上げる格好になってしまった。
映画の感想はというと普通。この普通は褒めています。大絶賛といっても良い。万難を排して褒めても良いレベルです。なぜ普通かというと予断抜きで観に行くつもりが、あまりにも良い前評判ばかりが目に付きどうしても期待値MAXになっていたためだとしか言えない。だから観終わって「なるほど」という感じ。「MadMax(怒りのデス・ロード)」の時のように新しいゴジラの映画が出たから、ゴジラとも長い付き合いだから観ておこうかという感じであったら普通なんて言葉は出てこなかったと思う。
二週間くらい前に「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」を観て微妙だと書いたのですが、「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」は内容的に呆れて微妙。
「シン・ゴジラ」は20年前の「インデペンデンス・デイ」に近いかも。20年前の「インデペンデンス・デイ」ではWW2の時代のアメリカを彷彿とさせる、ああアメリカってのはこういう国だったんだよな、市井の一市民であってもこれくらい出来るんだ、ちょいと教えられれば戦闘機を飛ばして戦えるという民度の圧倒的な差を見せつけてくれました。
いやいや戦闘機なんか一般人が乗れるわけないとはその時は思いました。ばかな話だと。しかし当時その件についてアメリカ在住の日本人と話をする機会があり、その時に思いを新たにしました。その日本人たちの中には飛行機免許を持っている人たちがおり休日は空を飛んでいる連中です。彼らも最新鋭の戦闘機の操縦は無理だとは最初は言っていたんですが、その理由が着陸が難しいからというもの。無事に帰ってこれないという。帰ってこなくて良いからというと、それなら出来るかもという返事。だったらあれは現実かと問うと、自分は自信が無いができるヤツは多いのではと言う。日本では無理な話です。WW2の頃と何も変わっちゃいない。アメリカという国に住む人たちの奥深さを知りました。
「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」ではそういうところが全くない。ただの薄っぺらいアメコミ。続編として観た自分がバカだったのか。20年前の作品が面白かっただけにかなり残念。
「シン・ゴジラ」はゴジラは虚構なのですが、それへの対処は全くの現実。これっぽっちも法や条例に触れることはしない。出て来る登場人物もいつもTVで見ているような政治家や官僚、公務員、民間人。今あるリソースでいかにあの得体の知れない怪物に対処していくのかということを2時間で見せてくれます。日本はこういう国なんだ。まだまだ行けるんじゃないか。捨てたもんじゃない。そんなことを思わせてくれる映画でした。
(2016年8月)