投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

世界の博物館 謎の収集 - 井出洋一郎(青春出版社)

世界の博物館 謎の収集 (プレイブックス・インテリジェンス)
井出 洋一郎
青春出版社

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2005年4月15日 第1刷 

監修者は井出洋一郎。1949年群馬県高崎市生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。専攻西洋美術史、美術館学。東京純心女子大学教授。

監修者が言うには日本には貧相な博物館しかないそうだ。建物だけは立派だが内容が伴なわないそうだ。ということでこの本には日本の博物館は登場しない。

この本の対象読者年齢はどのくらいなのか?謎の収集というから「ほおぉ~」という話題を期待して読んだらちょっと拍子抜けした。



私が「ほ~」と思った話題。

スミソニアン航空宇宙博物館にはライト兄弟の飛行機「フライヤー号」が展示されている。フライヤー号は1903年に飛行に成功したのだが展示されたのは1948年になってからだ。この45年間の空白は何か。ライト兄弟の仇敵にサミュエル・ラングレーという人物がいて、同時期に飛行機の研究・実験を行っていた。このラングレーはスミソニアン協会に所属する研究者だった。しかしラングレーの飛行機は失敗の連続。ラングレーは成功しないままにこの世を去る。ライト兄弟の成功の数年後に別の人物がラングレーの設計図で作成した飛行機が飛行に成功。スミソニアンはこれを世界初と認定していたのだ。ライト兄弟はそれを不服としてフライヤー号を長らくヨーロッパの博物館に預けた。スミソニアン博物館側がライト兄弟のフライヤー号を世界初と認めて初めてアメリカにフライヤー号が戻ってくる。スミソニアン航空宇宙博物館は、事実を知っていながら身内贔屓をして半世紀近くライト兄弟の偉業を無視していたのだ。

なるほど日本にはこういう話題を持つ博物館はないかもしれないな。
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