悪人(上) (朝日文庫)吉田 修一朝日新聞出版このアイテムの詳細を見る |
2009年11月30日第1刷発行
著者は吉田修一。1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年「最後の息子」で第84回文学界新人賞を受賞しデビュー。「パーク・ライフ」で第127回芥川賞受賞。
出会い系サイトで体を売り小遣い稼ぎをするOL石橋佳乃、その客、取り巻く無邪気な友人達。佳乃が死ぬきっかけを作った老舗旅館の跡取りで佳乃の憧れの放蕩大学生、その取り巻き達。親に捨てられ祖父母の手で育てられた無口な青年清水佑一、その母親と祖父母。清水佑一が一緒に住むための部屋の用意をしたことを知って行方をくらましたヘルス嬢金子美保。紳士服販売店で働くいつも何かを待っているような女性馬込光代、その妹。主人公清水佑一が幼い自分をフェリー乗り場に捨てた母親に再開した後、わざと金をせびり始めたことの理由が「どっちも被害者にはなれんたい」。誰が一番悪い悪人なのか?
(2010年6月 野田)