投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

そして夢にはじまった〈3〉紫陽花の巻 - 池部良(毎日新聞社)

そして夢にはじまった〈3〉紫陽花の巻
毎日新聞社


1996年5月10日印刷 1996年5月25日発行

著者は1918年(大正7年)東京の大森生まれ。立教大学英文学科卒。東宝のシナリオラーターから俳優を経て兵役へ。復員後、東宝の専属俳優になる。

寝そべる風、風が吹いたら、男の手料理、久慈見習士官、そよ風ときにはつむじ風、風まかせの暦等々、著書多数。

この人は短文を書くのが非常にうまい。高校の頃だったか中学の頃だったか、産経新聞でエッセイが連載されていて、たぶん「男の手料理」だったかと思うが、それで初めて池部良の文章に触れた。それ以来のファンである。

池部さんは俳優だから文章のファンですといわれると嫌がるかも知れないが・・・。

仕事で追いまくられていた3月、文字を読むのも億劫になっていたけれど、それでも通勤電車や出張で使う新幹線の中で気分転換するすべを他に持たないから、何かないかと図書館をウロウロしていて池部良のこの本を見つけた。

この刊は戦後復員して俳優に復帰、「青い山脈」の撮影に入る直前のころの事を書いてある。共産党の社員に半分乗っ取られた東宝の撮影状況や、その東宝から分かれた新東宝の話、京都での木下恵介監督のこと、北海道での映画撮影、「破戒」の撮影話等など。

悩み迷いを洒脱な文章でカラッと描いてあって、読んでいてなんだかとっても救われた気分になった。


(2011年3月~4月 西図書館)
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