投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

時給比較

ニッケル・アンド・ダイムドという本を読んだのは2007年。その本が日本で出版されたのは2006年。どういう内容かというとアメリカのコラムニストである著者のバーバラ・エーレンライクが出版社の企画でわが身を時給6ドルの世界へ投じた時の経験談。やり方は徹底していて時給6ドルの世界へ入り込み、その収入で生活する。そして全て挫折する。選んだ職業はウェイトレス、家の清掃業、小売業等。その一つにはウォールマートも含まれる。期間は1998年春~2000年夏。
 
2019年の現在、アメリカ経済は活況を呈している。7月16日の新聞記事ではネット通販の米最大手アマゾンは最低時給を15ドルに引き上げたばかりだが中西部ミネソタ州に置く配送センターで15日、一部労働者が待遇改善を求めて6時間のストライキを起こしたそうだ。賃金は上がったが物価も上がっているので状況は変わっていないと見える。
 
確かめたくて探してみたらこういうブログがあった。
https://ameblo.jp/cashflowmgmt/entry-12432110529.html
記事は2019年1月11日。
 
『5年前にチップをもらう従業員のミニマム賃金が5ドルだったのが10ドルになりました。チップ制でなく他の仕事は、ニューヨーク市では、ミニマム賃金が時給15ドルです。
 
マクドナルドの店員や皿洗いをしていた方が大学を卒業して新卒で企業で働くよりもいいという状況になっています。実際、大学生達は、その状況をシニカルにジョークとして
 
「大学に行って多額の学生ローンで借金をして卒業しても新卒のサラリーがマクドナルドの店員よりも低いのなら大学に行かなくてもいいじゃない。」
 
と語っていますが、ジョークじゃなく本当です。』
 
うちの会社の大卒新入社員の時間単価は1200円弱。5年目社員でも1400円には届かない。月給の時間単価だから賞与は含んでいないし諸々の社会保険の会社負担は別だからパートタイムの時間単価とは比較はできないけど最低時給を15ドルという数字だけ切り取ると大卒正社員より良い。ニューヨークもサンフランシスコも最低賃金は時給で15ドル。
 
日本はどうか。東京都の最低賃金は2006年は719円、2018年は985円。1.34倍になったがアメリカには遠く及ばない。少し時給が高そうなところを探してみたら「まいばすけっと 東向島駅北スーパーのレジ・品出しスタッフ【学生さん歓迎】時給 1,400円~1,750円」というのを見つけた。これ嘘じゃないよな。イオン系列の東京のスーパーマーケットのパートタイム時給はニューヨークの最低賃金を超えている。もちろんパートアイムの賃金なのでフルタイムで働けるわけはない。これだけで生活していけるわけでもないけど。
 
東京の物価を見てみた。東京都区部消費者物価10大費目指数(年平均)の総合指標で2006年は99.0ポイント、2017年は100.0ポイント。若干上がってはいるがモノによっては下がっているものもある。日本の物価は上がっていない。もしかしたら日本はアメリカより生活は楽なのか。まさかな。そんなわけはないよな。
 
*東京都区部消費者物価10大費目指数 : http://www.toukei.metro.tokyo.jp/bukka/2018/bk1831data.htm
 
家賃比較をしてみた。インターネットで検索するといっぱい出てくるけどここが面白かったので引用する。
https://ny-pg.com/life/ny-rent/
 
$1500/月の家賃で借りられる平均の家の広さはニューヨークは東京の1/2らしい。東京で10万円の家賃だとすると同じ広さをニューヨークで探すと20万円だと。これだと最低賃金が日本の倍になっても当然だ。
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