李子柒 Liziqi
https://www.youtube.com/channel/UCoC47do520os_4DBMEFGg4A
最近、暇なときによく見ている。とても面白く興味深い動画。
彼女の素顔が知りたくてネットで検索してみたがよくわからない。色んな事が書いてある。かいつまんで書くと、祖父母に育てられ祖父の他界を機に14歳で学校を中退して都会で働きはじめる。職の中にDJがある。芸能活動をしていたともあった。2012年に祖母の面倒をみるため故郷に戻り暮らすようになる。生活のためにネットショップを開設したが、26歳で初めて一眼レフカメラを手に入れ2016年3月頃から「美拍」に動画投稿を始め今は動画配信が主になる。当初は自分で撮影していたが、現在は本人を含めて3人で制作している。現在29歳。こんなところか。
とにかく良くできている。四川に行ってみたくなる。彼女が作る料理を食べてみたくなる。そこで暮らしてみたくなる。そんな気にさせる。
舞台になっている村で彼女が暮らしているのだろうか。動画には毎回祖母が登場するが、一つの食をテーマにして作成するにしても種まきから収穫、加工、調理まで数か月かかる工程を扱うのだから、その間ずっとそこで暮らしているようにも思えないのだが。何故なら農作業を続けているにしては彼女の手は綺麗すぎるから。しかし数か月の工程を10分に収める手腕は凄い。一年を通していつ何を撮るというプランが出来ていて複数の動画を同時並行で進めている。
祖母や撮影スタッフと食事をする場面はいつもオープンな区画。これは四川地方の家の作りというか、習慣なのだろうか。家の構造が知りたいけど、いくら見てもハッキリしたことが分からない。想像するだけ。同じ家で撮影しているとも限らないし。家の構造はたぶん庭を囲むように部屋が並び、部屋は扉は庭に面しているという形だと思う。立派な門があるが塀は竹。ぐるっと敷地を塀が囲んでいるはず。竹の塀は南に面した一部だけで裏は納屋を含んだ土塀だと想像する。
水を使う場所、火を使う場所が分かれている。洗い物は外、火は内。水を使う場所を屋内に入れ込むと建物は弱る。古い時代の日本の民家にも通じる。日本の場合は水屋は主屋から離す地域もあった。この四川の民家も先に想像したように火を使う建物は別棟ではないかと思う。
俎板は丸木を切った円形のもの。面白いことに樹皮がついている。青っぽい壁を右にして彼女は包丁を振るうからいつも左の横顔を見ることになる。かまどに設えられた大きな鉄鍋が印象的。この鍋から鮮やかな料理がいくつもいくつも作られるという様式美がある。
器も凝っている。皆新しく見えるから用意したものだと思うけど、自然木をくり抜いたボールが多用される。そうか、こういう生活もあるな、やってみようと思わせる。鉈や包丁、ナイフの類は使い込んだものを使っているけど。
彼女の道具を使う手つき、稲の苗の放り方、鍬の振るい方、脱穀の仕方、竹竿の担ぎ方、草の刈り方、畦道の歩き方、竹を割り削ぐ手つき、そんな所作すべてが堂に入っていて彼女が14歳までここでこんな暮らしをしていたことは確かなような気がするのだ。