投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

悪い奴ほどよく眠る(バーベキュー) - 映画に出てくる食事の場面(40)

 

ネット上に「キューブリック、コッポラ、タランティーノなど10人の偉大な映画監督が愛した映画100本」という記事があって、そこに黒澤明の「悪い奴ほどよく眠る」が二名から選ばれていた。選んでいたのはフランシス・フォード・コッポラとライアン・ジョンソン。三船敏郎主演で1960年の作品。企業と政界の汚職事件を中心にした社会派の映画。この作品、レンタルで観て面白いとは思っていたが、海外の映画監督から高評価を得ていたことを知ると確かにこれ以前にこの手の社会派の映画は無いかも、様式として始めてかもと考えてしまう。また今観ても内容的に古臭さが無いし扱う題材も普遍的。きっちり作っている。役者が演じるキャラクターも立っている。そういう意味で評価が高いのだろうとあらためて思う。

1960年(昭和35年)に公開された日本映画である。監督は黒澤明。製作は田中友幸、黒澤明。出演者は三船敏郎、森雅之、香川京子、他。黒澤が東宝より独立して創始した黒澤プロの初作品だったそうだ。

少しWikipediaの解説を引用する。

「冒頭、状況説明を登場人物の語りで行うのは(本作では結婚式の場に取材に来たベテラン新聞記者が他の記者たちに語る)、ギリシア悲劇のコーラス隊のコーラスを踏襲したもので、黒澤映画の常套手法であるが、それを結婚披露宴で行うのは、後に映画『ゴッドファーザー』でも採用されている。」

ああ、フランシス・フォード・コッポラがこの映画を選ぶはずだ。

映画のあらすじは土地開発公団の汚職とその件で父親が自殺に追い込まれた息子の復讐劇。はたして成就するのか、という話になる。よくある話ではないかとお思いかもしれないが繰り返しになるが1960年という年代を思い描いてほしい。それ以前にどんな作品があっただろうか。同じ黒澤明監督の1949年の作品で「野良犬」というのがある。DVDの説明書きに後の日本の刑事物のベースを作ったとあった。老練な刑事と若い刑事の二人組みという様式を作った作品。これも良い。

選んだ食事の場面は公団副総裁の森雅之が自宅でバーベキューをする場面。ここだけ見るとよき父親という雰囲気なのだがこいつは悪ものなのだ。でもこの人物でさへ頭を下げるもっと悪い奴がいるという話になる。

三船敏郎は香川京子と結婚し三橋達也の義理の弟になる。

今ならこういうバーベキューは普通にできるけど(できるけど面倒なのでしないけど)、1960年だと浮世離れしてるかも。

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