投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

千と千尋の神隠し(温泉街の食堂、その他) - 映画に出てくる食事の場面(8)

千と千尋の神隠し [DVD]
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ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社


 2001年の日本映画。監督は宮崎駿。10歳の少女千尋が神々の世界で体験する夢うつつの話。千尋がほんの少し、でも確実に成長する姿が良い。

 この映画は食べる場面が多いが冒頭の温泉街の場面が好きだ。温泉街の食堂のカウンターに並ぶ大皿に盛られた食べ物、食べ物、食べ物。あの温泉街の風景と食堂の食べ物の圧倒的な存在感でぐっと映画に引き込まれてしまう。ありふれた日常の風景から見る間に別世界へ。見事に変わっていく。


 釜爺が丼物をかきこむ場面も良い。あれは海老の天丼か。そんな立派なものじゃないだろうけど。


 カオナシをもてなす際の蛙の化身(兄役)の小野武彦の幇間姿が見事。あの場面は宮崎駿が資料なしで作り上げたらしい。劇場で一度観たきりだった当時小学校低学年の息子と娘が「それ、おねだり、おねだり」の台詞を含め家で場面を再現していたのには笑った。よほど印象深かったのだろう。彼らが成人した今、全くそのことを覚えていないのだが。

 これを書いている2014年7月21日、ジブリ解散の記事がネットで散見される。本当か。どうなるんだろう。

 ピクサーは誰が監督をしようと誰がアニメーターであろうとピクサーだけどジブリは違う。ずっと前からわかっていたことで、だからこそジブリは自前のアニメーターをきっちりした待遇で育てようとしていたのだけれど、それに失敗したということか。一作ごとに100億円の売り上げがなければアニメーターを養えない。借り入れで経営していけば当然好きな物はつくれなくなる。

 ピクサーとジブリの構造はそのまま第二次世界大戦の時のアメリカと日本に似る。誰でも戦闘機を乗りこなせる社会構造のアメリカと選ばれて訓練された者しか乗りこなせなかった日本。負けは見えていて、その反省もあって日本はあらゆることでアメリカに似せてきたはずだけどやはり勝てないなー。


(2014年7月)
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