古い話となってしまいました。
The Art Newspaperに、2010年の展覧会入場者数ランキングが掲載されていました。
2009年は、日本の展覧会が1位から4位まで独占したことで、マスコミに多数とりあげられていました。
1位:15,960人/日 国宝 阿修羅展
2位:14,965人/日 第61回正倉院展
3位: 9,473人/日 皇室の名宝
4位: 9,267人/日 ルーヴル美術館展(国立西洋美)
2010年はどうだったでしょうか。
1位:12,116人/日 長谷川等伯(東博)
2位:10,757人/日 オルセー美術館展2010(国立新美)
3位: 9,290人/日 Designing the Lincoln Memorial(ワシントンナショナルギャラリー)
4位: 9,098人/日 長谷川等伯(京博)
5位: 8,436人/日 没後120年 ゴッホ展(国立新美)
(以下、50位内の日本の展覧会)
22位: 5,585人/日 第13回文化庁メディア芸術祭(国立新美)
26位: 5,071人/日 ルノワール(国立新美)
36位: 4,286人/日 上村松園(東京国立近代美)
37位: 4,158人/日 Theハプスブルグ展(京博)
38位: 4,120人/日 細川家の至宝(東博)
トップ5のうち4が日本。しかも金と銀。2010年も日本の展覧会好きは変わらなかったようです。
その他
◇本調査は全ての展覧会が網羅されているわけではありません。
例えば、26位のルノワール展。大阪でも開催されており、その1日平均入場者数は私の計算では東京を上回ったのですが、本ランキングには登場していません。
他にもそのような展覧会が多数あるでしょう。
◇2010年はカラヴァッジョの没後400年でした。
Scuderie del Quirinale(ローマ)で開催された没後400年カラヴァッジョ展。会期後半は待ち行列のすさまじさで日本のマスコミにも取り上げられていました。
本ランキングでは、25位に登場。5,110人/日。
20数点の展示数であったことを考えると、1展示作品・1日平均の入場者数ではトップ1であることは間違いないでしょう。
他は、と思ったのですが、caravaggio名を冠する展覧会は見当たりませんでした。
◇オルセー美術館改装に伴う世界巡回展の入場者数比較
1)ポスト印象派
10,757人/日で2位となった国立新美術館の「オルセー美術館展2010 ポスト印象派」
東京を含め、世界3か所を巡回しました。他はどうだったのか。
オーストラリア国立美術館(キャンベラ)2009年12月4日~2010年4月5日
⇒3,527人/日
国立新美術館(東京)2010年5月26日~8月16日
⇒10,757人/日
デ・ヤング記念美術館(サンフランシスコ)2010年9月25日~2011年1月18日
⇒終了が2011年のためか登場せず
2)印象派の誕生
「ポスト印象派」と並行して3か所を巡回していた「印象派の誕生」はどうだったのか。
Fondation MAPFRE(マドリード)2010年1月11日~4月22日
⇒3,303人/日
デ・ヤング記念美術館(サンフランシスコ)2010年5月22日~9月6日
⇒4,614人/日(第31位)
Frist Center for Visual Arts(テネシー州Nashville)2010年10月14日~2011年1月23日
⇒終了が2011年のためか登場せず
やはり、日本の展覧会好きがここでも伺えました。
2011年はどうなるでしょうか。
6月8日から、上位有力候補の一つ「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」が始まる予定です。