東京でカラヴァッジョ 日記

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「春日大社」展で鹿巡り。(東京国立博物館)

2017年01月21日 | 展覧会(日本美術)

春日大社 千年の至宝
2017年1月17日~3月12日
東京国立博物館

   奈良といえば、鹿!


   本展も鹿推し。


   鹿が表された作品には、作品名キャプションの上に、鹿マーク。造形作品には勿論、文書資料にも鹿マーク。

 

   会場に入ると、まず、奈良の鹿の映像。
   その左隣に、金地の六曲一双の《鹿図屏風》。

 

《鹿図屏風》
江戸時代、17世紀
春日大社
通期展示

   実物大に近い鹿たちが、右隻に10頭、左隻に18頭、画面一杯に戯れる。


   現代の鹿の映像と江戸前期の鹿の描写を見比べつつ、奈良公園で見た鹿を思い浮かべつつ、万城目学氏の小説『鹿男あをによし』とそのテレビドラマを思い出しつつ。

 

   いきなりの鹿インパクトが大きく、以降は鹿巡りに励む。



   第1章「神鹿の杜」は、題名どおり、鹿マーク満載の章。出品リスト上は他章の作品の一部もこちらに置かれる。


   第2章「平安の正倉院」は、国宝比率8割近く、重文を合わせると95%近くと、春日大社の至宝が集中する章、本展の見どころ章であるらしい。
   が、鹿マーク比率はゼロ。
   で、もったいなくも、軽く見る程度で過ぎる。


   第3章から最後の第6章まで、適度なバランスで鹿マーク。鹿探しに励む。

第3章 春日信仰をめぐる美的世界
第4章 奉納された武具
第5章 神々に捧げる芸能
第6章 春日大社の式年造替

 

   以下、鹿巡りの成果5選。


No.22《鹿図屏風》
江戸時代、17世紀
春日大社
通期展示

 

No.05 重文《春日鹿曼荼羅》
鎌倉時代、13世紀
京都・陽明文庫
前期展示


   堂々と立つ鹿。その姿は神々しい。


No.88 重文《春日宮曼荼羅》
鎌倉時代、13世紀
奈良・南市町自治会
前期展示

   春日宮。小さく描かれる鹿。何点か同種の作品が並ぶなかで、「最大画面、最高画格の大作」、他と違って画面も明るくて見やすい。

 

No.154《春日権現験記絵 巻二十》
鎌倉時代、1309年頃
宮内庁三の丸尚蔵館
前期展示


   戯れる鹿の群れに見惚れる。

 

No.169《春日権現験記絵(徳川美術館本)巻十》
江戸時代、19世紀
徳川美術館
通期(巻替あり)


   鹿3頭。さて、何処にいるのでしょうか?

 


   鹿マークなし作品から1点。

   春日明神に引率されて地獄見物ツアーをする男。地獄の10の責め苦が描かれる。ここを描くか?  親孝行が大事らしい。


No.170《春日権現験記絵(紀州本)巻六》
江戸時代、1845年
東京国立博物館
前期展示

 

   《春日権現験記絵》は、全20巻。
   原本は、1309年に描かれて「春日大社に秘蔵されていたが、江戸後期に流出し、その後勧修寺経逸が収集し、鷹司家を経て、明治8年と同11年の2度にわけて、皇室に献上された」という。


   本展では、宮内庁三の丸尚蔵館所蔵の原本2巻のほか、春日大社、陽明文庫、徳川美術館、東博所蔵の江戸時代の模本が出品されている。



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