東京でカラヴァッジョ 日記

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フェルメール 道半ば約3分の2の鑑賞記

2011年03月05日 | フェルメール

フェルメール≪地理学者≫とオランダ・フランドル絵画展がBunkamuraで始まりました。
Bunkamura御推奨の「全点踏破」には程遠いけど、私の約3分の2の鑑賞記を記します。

 

まずは、日本編。

 

1「手紙を書く女」(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)
(1999年「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」京都市美術館、東京都美術館)

 

◇同展は、印象派等の近代美術を中心に、フェルメールを目玉とするオールドマスターの作品が数点、というちょっと変わった出品構成だった記憶があります。
 最初に出張先の京都で、その後東京で鑑賞しました。
 初めて日本で見るフェルメール。熱心に眺めたはずなのですが、あまり印象に残っていません。
 むしろ、軽く見ただけであった、マネの「鉄道」が、時間が立っても強い印象が続いています。6月からの国立新美術館「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」で再来日するので、非常に楽しみ。

 

2「真珠の耳飾りの少女」(マウリッツハイス王立美術館)
3「天秤を持つ女」(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)
4「地理学者」(シュテーデル美術館)
5「リュートを調弦する女」(メトロポリタン美術館)
6「聖女プラクセデス」(個人蔵)
(2000年「フェルメールとその時代」展、大阪市立美術館)
 

◇行きました。大阪に2回。会期初盤と終盤に。2回目は入室まで90分待ち。
 他の絵には全く眼もくれず、フェルメール一本鑑賞。
 1時間鑑賞したとすると、「真珠の耳飾りの少女」が30分、他4枚が30分という時間配分。
 「天秤を持つ女」は、いい作品でしたね。
 「真珠の耳飾りの少女」は、来年、3回目の来日予定。新装なる東京都美術館にて。楽しみ。

 

7「恋文」(アムステルダム国立美術館)
(2000年「レンブラント、フェルメールとその時代」展、国立西洋美術館)

 

◇大阪の展覧会に同じ年に開催された展覧会。
 愛知県美術館、国立西洋美術館の順に巡回、愛知の開催時期は大阪と重なっています。
 この時期、6枚もフェルメールが日本にいたのだなあ。

 

8「絵画芸術」(ウィーン美術史美術館)
(2004年「栄光のオランダ・フランドル絵画展」東京都美術館)

 

◇まさかこの絵が日本に来るとはなあ。フェルメールのどの絵にも言えることではありますが。
 毎週金曜日とGW期間が夜間開館、何度も暗くなった上野公園を歩いて駅に向かった記憶があります。

 

9「窓辺で手紙を読む女」(ドレスデン国立美術館)
(2005年「ドレスデン国立美術館展-世界の鏡」兵庫県立美術館、国立西洋美術館)

 

◇待ち切れずに神戸に行きました。「窓辺で手紙を読む女」専有の一画があり、絵をイメージした装飾が施されていたのがえらく印象的でした。

 

7「恋文」(アムステルダム国立美術館)(2回目)
(2005年「アムステルダム国立美術館展」兵庫県立美術館)

 

◇巡回なしの展覧会、ということで神戸に遠征しました。

 

10「牛乳を注ぐ女」(アムステルダム国立美術館)
(2007年「フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」国立新美術館)

 

◇私がフェルメールの最高傑作の一つと考える作品(もう一つは「デルフト眺望」)。
 この絵の真の良さは近くで見ないとわからないと考えているのに、絵が途方もなく遠い、と不満一杯の展覧会でした。
 見たうちにカウントしたくない。

 

11「マルタとマリアの家のキリスト」(スコットランド・ナショナル・ギャラリー)
12「ディアナとニンフたち」(マウリッツハイス王立美術館)
13「小路」(アムステルダム国立美術館)
14「ワイングラスを持つ娘」(アントン・ウルリッヒ公美術館)
5「リュートを調弦する女」(2回目)
15「手紙を書く婦人と召使い」(アイルランド・ナショナル・ギャラリー)
16「ヴァージナルの前に座る若い女」(個人蔵)
(2008年「フェルメール展-光の天才画家とデルフトの巨匠たち」東京都美術館)

 

◇フェルメール全7点の豪華展覧会。カレル・ファブリティウスも見逃せない。
 また、ダブリン、エディンバラ、ブラウンシュヴァイクと、この先の人生、どこでどう間違っても行くはずもない街の美術館からの招聘が非常にうれしかった。
 「ワイングラスを持つ娘」がお気に入り。確かにフェルメールには珍しい下品な笑いがありますが、オレンジ色が好き。
 展示作品の貸出許可を得るまでの内幕をレポートした、秦新二氏の「フェルメール展、名画争奪の現場-世界の「至宝」が来日するまでの功防戦」(文藝春秋2008年12月号)も評判になりました。


17「レースを編む女」(ルーブル美術館)
(2009年「ルーブル美術館展-17世紀ヨーロッパ絵画」国立西洋美術館)

◇「牛乳を注ぐ女」とは異なり、すぐ間近で見ることができたのがうれしい。フェルメールの魅力をたっぷりと味わえました。
 向かいに展示されたル・ナン兄弟の「農民の家族」も大好きな作品。 


以上17点。来日経験のある作品は全て見たことになります。
(つづく)



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