ヴァン・ゴッホ展
1951年9月1日〜9月8日
銀座・松坂屋
主催は毎日新聞社と劇團民藝ゴッホ製作委會。式場隆三郎氏が目録巻頭に「ゴッホの生涯」を記す。
「この展覧会は、わが国に将来されているゴッホの原作を大部分をあつめ、英・米・仏・独・澳その他で制作された良心的な大版の複製を加え」た構成。
原画が6点、複製画が66点、関連資料9点の出品。
原画6点とは、油彩5点、素描1点である。
《鰊と玉葱》
油彩、パリ時代、個人蔵
《ダリア》
油彩、パリ時代、個人蔵
《鰊の静物》
油彩、パリ時代、個人蔵(実名提示あり)
《アルプスへの道》
油彩、サンレミ時代、大原美術館蔵
《女の肖像》
素描、不明、個人蔵(実名提示あり)
《燻魚と卵》
油彩、不明、個人蔵
第一印象。
鰊、鰊、燻魚、ダリア。静物画ばかり。というか、魚ばかり。魚好きなのか?
さて、これらの作品は今どちらにあるのだろう。
まず、大原美術館蔵とある作品についてネット検索する。
当時《アルプスへの道》と呼ばれた油彩画は、1935年頃大原孫三郎氏が購入。題名が《アルピーユの道》に変わり、1970年に盗難にあい、1972年に回収され、1980年代に贋作疑惑が起きて常設展示から外され、2002年に福田美蘭氏が同作品をもとに制作した《ゴッホをもっとゴッホらしくするには》と並べて同美術館で特別展示され、等エピソード豊かな作品のようである。
あとの5点は、どうだろうか。
個人蔵で、図版なし、情報は題名のみ、では調べられない。
《鰊と玉葱》は、アーティゾン美術館が所蔵する《鰊》(=TASCHEN刊『ゴッホ全油彩画集』でブリヂストン美術館所蔵とある《燻製鰊とニンニクのある静物》)なのかもしれない。
また、《ダリア》は、同じくアーティゾン美術館が所蔵する《花》なのかもしれない(TASCHEN刊『ゴッホ全油彩画集』では見つけられない)。