生誕百年記念
ヴァン・ゴッホ展
1953年5月11日〜5月16日
日本橋丸善
1853年3月30日に生まれたゴッホ。1953年は生誕100年の記念年。
本展は、日本におけるゴッホ生誕100年記念祭の1企画。目録の巻頭に式場隆三郎氏が「百年記念祭について」を記すほか、巻末にはアムステルダム市立博物館長のメッセージも掲載される。
会場である日本橋丸善は、前年の1952年に本社屋新築落成。「東京では戦後初の鉄筋ビル。日本地図をモチーフとした丸善の包装紙はこの新店と同時に新しくデザインされた。」
大版原色刷りの複製画60点に大量の書籍資料など、全520点ほどの出品。絵葉書や企業制作のカレンダーもあって、美術展というより文化展の様相。
当時は、式場氏の活躍もあったのだろうか、ゴッホ複製画展が結構開催されているようで、例えば神奈川県立近代美術館で1954年に開催されている。
目録には、以下の記述がある。
「かねて計画中の国立クレラア・ミュラア美術館の蔵品をかりて開く日本でのゴッホ展も、来年は実現するだろうという便りをオランダからもらった。その日が待たれる。」
実現するのは5年後、1958年のことである。