東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

1953年のゴッホ展 -ゴッホ展前史2

2019年10月19日 | 西洋美術・各国美術
生誕百年記念
ヴァン・ゴッホ展
1953年5月11日〜5月16日
日本橋丸善
 
 
   1853年3月30日に生まれたゴッホ。1953年は生誕100年の記念年。
 
   本展は、日本におけるゴッホ生誕100年記念祭の1企画。目録の巻頭に式場隆三郎氏が「百年記念祭について」を記すほか、巻末にはアムステルダム市立博物館長のメッセージも掲載される。
 
 
   会場である日本橋丸善は、前年の1952年に本社屋新築落成。「東京では戦後初の鉄筋ビル。日本地図をモチーフとした丸善の包装紙はこの新店と同時に新しくデザインされた。」
 
 
   大版原色刷りの複製画60点に大量の書籍資料など、全520点ほどの出品。絵葉書や企業制作のカレンダーもあって、美術展というより文化展の様相。
 
 
   当時は、式場氏の活躍もあったのだろうか、ゴッホ複製画展が結構開催されているようで、例えば神奈川県立近代美術館で1954年に開催されている。
 
 
   目録には、以下の記述がある。
 
「かねて計画中の国立クレラア・ミュラア美術館の蔵品をかりて開く日本でのゴッホ展も、来年は実現するだろうという便りをオランダからもらった。その日が待たれる。」
 
   実現するのは5年後、1958年のことである。
 


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