興福寺創建1300年記念
国宝 興福寺仏頭展
2013年9月3日~11月24日
東京藝術大学大学美術館
興福寺仏頭は、大のお気に入り。
そのきっかけは、2005年に東博で開催された1点ものの企画。
興福寺創建1300年記念 特別公開「国宝 仏頭」
2005年9月21日~10月16日
大きさ、痛々しさ、そして高貴なる美しさに、強く惹かれました。
以降、興福寺の国宝館で何度か拝見。
国宝館での展示場所は、今はどうか知りませんが、日の当たる場所とは言いがたいところ。
すみっこに追いやられている、というイメージ。
それでも、その大きさ、高貴なる美しさは損なわれることなく、さすが「白鳳の貴公子」と、毎度感嘆していました。
今回、久しぶりの上京は、東京藝術大学大学美術館。
仏頭様は、3階の第3展示室にいらっしゃいました。
広い第3展示室、左・右の壁に沿って6体ずつの国宝木造十二神将立像、そして一番奥中央に、仏頭様がいます。
第一印象は、あれ、大きくない。
以前のようには大きさを感じない。
ルーブル美術館展の≪ローマ皇帝ルキウス・ウェルスの妻ルキッラの巨大な頭部≫、古代ローマの大きいことはいいことだ、に知らぬうちに毒されたのだろうか。
大きくない、ではありますが(総高は98.3cmとのこと)、高貴な美しさ、に変わりはありません。
本展では360度から見ることができるので、いろいろな角度からその美しさを楽しみました。
お気に入りの角度。身長等の条件により変わるでしょうけど。
1:正面から右手約45度、距離は仏頭のすぐ真下~仏頭から1体目の十二神将立像あたりの位置まで。
2:正面から左手約30度、距離は仏頭から2体目の十二神将立像あたりの位置。
3:真正面、距離は仏頭から3体目の十二神将立像あたりの位置。
「白鳳の貴公子」を満喫。なお、仏頭と国宝木造十二神将立像がそろって並ぶのは、仏頭が15世紀初頭の火災で本尊の座を譲って以来、約600年ぶりのことらしい。
忘れてはいけないのが、第2展示室の国宝板彫十二神将像(平安時代・11世紀)。
ヒノキ板の浮彫像。板の厚さわずか3センチ前後とのこと。その表情・動きの豊かさを楽しみました。
仏頭について(興福寺HPより)
天武14年(685年)に造られた飛鳥山田寺講堂本尊像の頭部。像は興福寺の鎌倉再興期の文治3年(1187年)に東金堂本尊薬師如来像として迎えられましたが、応永18年(1411年)に堂とともに被災します。幸い残った頭部が応永22年(1415年)に再興された現東金堂本尊台座に納められ、昭和12年(1937年)に発見されました。