![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/e3/302dc142b5b3434e7f18e9c57032b037.jpg)
2023年の府中市美術館の展覧会により、「インド細密画」に少し関心を持った私。
2024年1月から、東博の東洋館の地下1階、一番奥の13展示室に常設展示される「インド細密画」鑑賞を始める。
概ね1ヶ月単位で展示替えが行われるようであり、今回は11度目の鑑賞。
今回鑑賞(2024年10月29日〜11月24日)
・テーマ:英雄クリシュナと牛飼いの女ラーダー
・展示数:9点
以下、画像を掲載する。
《ラーダーのもとへ訪れるクリシュナ(ラシクプリヤー)》
マールワー派、17世紀中頃
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/2f/85a14c7c13b94bba97c38943845c73b1.jpg)
16世紀末から17世紀初めに北インドで活躍した詩人ケーシャブダースの恋愛詩『ラシクプリヤー』を絵画化したものです。
ヒンドゥー教の神クリシュナが夜中、恋人のラーダーのもとを訪れます。
《ラーダーのもとへ訪れるクリシュナ(ラシクプリヤー)》
員数1枚
マールワー派、17世紀中頃
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/9e/ed7b51ef7c27c66c30e2e140a897744e.jpg)
クリシュナが恋人のラーダーのもとを訪れると、ラーダーはクリシュナに家の中に入るようにすすめます。
《別離を悲しむラーダー(ラシクプリヤー)》
マールワー派、17世紀中頃
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/f2/02e552d61bd3046f7871aa36688f8c8b.jpg)
クリシュナが恋人ラーダーのもとを去ると、ラーダーはその悲しみにうちひしがれてしまいます。
《ラーダーのメッセージを受け取るクリシュナ(ラシクプリヤー)》
マールワー派、17世紀中頃
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/83/73bdecec36cd9a4fd9970ec69250bc16.jpg)
2本の木の間で、クリシュナが白い壇の上に坐り、その前に恋人のラーダーが立っています。
《ラーダーの髪を編むクリシュナ》
カンパニー派、19世紀後半
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/7f/c3e4224289ddc4fb4585d3d3efe6a598.jpg)
青い肌のクリシュナが宮殿の中で恋人ラーダーの髪を編んでいます。
建物の柱や外の風景、構図などに西洋画の影響がうかがわれます。
こうした表現をカンパニー派とよんでいます。 画面右下に画家が署名しています。
《ラーダーを訪ねるクリシュナ》
コーター派、18世紀末
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/20/30ee2502d6f716393a3b34cbc8cd4e97.jpg)
ヒンドゥー教の神クリシュナがその恋人ラーダーのもとに向かおうとしています。
ラーダーは池の畔で物思いにふけりながらクリシュナを待っています。
この絵に描かれた植物は、コーター派の絵画によく見られる表現です。
《庭で向かい合って坐るクリシュナとラーダー》
コーター派、19世紀中頃
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/98/34f4489568a3cff6dc061aa1b19e038e.jpg)
白い建物のテラスで、ヒンドウー教の神クリシュナとその恋人ラーダーが向かい合っている場面を描いています。
生い茂った木々、白い建物の意匠、侍女たちの衣装や持ち物を見ると、金彩が随所に使われています。
《クリシュナとラーダー》
ジャイプル派、19世紀
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/7f/2fb122e23a6a1ee5b4ebc40109a48326.jpg)
ヒンドゥー教の神クリシュナが恋人ラーダーの肩を抱きかかえながら立っている姿を描いています。
クリシュナは数多くの娘たちを愛しましたが、最愛の女性がラーダーでした。
この絵ではクリシュナのみならずラーダーまでも頭に光背を表しています。
《バルコニーの上で見つめ合うクリシュナとラーダー》
カーングラー派、19世紀初
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/d0/ac553ea7868ff8ee70718d5572a798c3.jpg)
17世紀のインドの宮廷詩人であったビハーリー=ラールは、ヒンドゥー教の神クリシュナとその恋人ラーダーをめぐる官能的な恋愛を詠んだ詩を『サッタサイー(七百吟)』としてまとめました。
この作品はその一節によっています。
クリシュナ。
その名は「黒」を意味することから、名のとおり黒い肌で描かれているものもあれば、神ヴィシュヌの化神とされることから、青い肌で描かれているものもある。
引き続き、展示替えの都度皆勤を目指すのではなく自然体で、展示が一巡するまでを目途に鑑賞するつもり。