東京でカラヴァッジョ 日記

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【画像】国立西洋美術館でウィリアム・アドルフ・ブーグロー作品を見る

2023年12月20日 | 国立西洋美術館常設展示
もうひとつの19世紀
ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち
2023年9月19日〜2024年2月12日
国立西洋美術館版画素描展示室(常設展示室内)
 
 国立西洋美術館の所蔵・寄託作品により、19世紀後半のフランスおよびイギリスのアカデミー画家を紹介する小企画。
 
 
 イギリスのアカデミー「ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ」の画家として取り上げるのは、ジョン・エヴァレット・ミレイ(1829-1896)。
 国立西洋美術館は、ミレイの2点の油彩画を所蔵する。
 いずれも旧松方コレクションで、《あひるの子》は1975年度の寄贈、《狼の巣窟》は2020年度の購入である。
 
 
 フランスのアカデミー「王立絵画彫刻アカデミー」の画家として取り上げるのは5人。その中では、ウィリアム・アドルフ・ブーグロー(1825-1905)が展示の中心となる。
 
 美術アカデミーの重鎮として19世紀後半のフランスの美術界に君臨した画家です。古典の伝統と高度な技術に支えられた神話画や宗教画の大作によってサロンで成功を収めました。念入りに仕上げられた滑らかな肌を持つ甘美で官能的な女性像はとくに知られています。(国立西洋美術館サイトより)
 
 代表作としては、オルセー美術館所蔵の大作《ヴィーナスの誕生》1879年。来日歴はない?
〈参考:本展出品作ではない〉
 
 2014年の国立新美術館「オルセー美術館展 印象派の誕生」では、大作《ダンテとウェルギリウス》1850年 が出品されている。
〈参考:本展出品作ではない〉
 
 
 以下、ブーグローの作品画像を掲載する。
 全8点。
 
 
ウィリアム・アドルフ・ブーグロー(1825-1905)
 
《小川のほとり》
1875年、137 x 86cm
井内コレクションより寄託
 
《少女》
1878年、45.5 x 38cm
国立西洋美術館(2008年度購入)
 
《姉弟》
1887年、179 x 80cm
井内コレクションより寄託
 
《ガブリエル・コットの肖像》
1890年、45.5 x 38cm
井内コレクションより寄託
 
《純潔》
1893年、178 x 94cm
井内コレクションより寄託
 
 
中央《音楽》 116 x 172cm
左《クピドの懲罰》 111 x 74.5cm
右《武器の返却を懇願するクピド》118 x 72cm
1855-56年頃
国立西洋美術館(2015年度購入)
 
 
 気になる「井内コレクション」。
 ブーグロー作品を4点も寄託している。
 常設展示室では他に、井内コレクション寄託として、セザンヌ《散歩》とピカソ《小さな丸帽子を被って座る女性》が展示されている。
 この6点の所蔵番号は、DEP2022-18〜21、23、25。
 コレクションの全貌はまだ見せていないようだ。
 
 
 寄託と言えば、フェルメール(に帰属)《聖プラクセディス》。
 本年2023年にアムステルダム国立美術館で開催された「史上最大規模」のフェルメール展に「真作」として出品され、所有者も公になったよう。
 残念ながら、今期の常設展には展示されていない。末長く、国立西洋美術館にいて欲しいものである。


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