ルドン 秘密の花園
2018年2月8日~5月20日
三菱一号館美術館
「ルドンが描いた花や植物に焦点を当てた世界で初めての展覧会」を謳う本展。
見どころはドムシー城食堂装飾画にとどまらない。
岐阜県美術館を始めとする国内美術館の所蔵品。
海外からも、オルセー美術館、プティ・パレ美術館、ボルドー美術館のフランス勢。シカゴ美術館、ニューヨーク近代美術館、ワシントン・ナショナル・ギャラリー、フィリップス・コレクションというアメリカのブランド美術館。初めて名を聞くトゥエンテ国立美術館というオランダの美術館。
豪華な所蔵者たちの「花や植物」の色彩豊かな作品たち。
以下、ルドンの「花や植物」作品を見ていく。
実物は、掲載の画像、書籍の図版では分からない、魅力的な色彩をしている。
1章 コローの教え、ブレスダンの指導
ルドンが「作者のための習作」と呼んで大切に手元に保管した、「黒」の時代の彩色された風景画の小品たち。
左《青空の下の木》
1883年頃
ニューヨーク近代美術館
右《ペイルルバードの小道》
制作年不詳
オルセー美術館
2章 人間と樹木
ルドンの創作意欲を湧かせたシェイクスピア『テンペスト』に登場する小怪物たち。キャリバンは主人公に仕える野蛮な奇形の奴隷。
左《キャリバン》
1881年、木炭/紙
オルセー美術館(ルーヴル美術館版画素描部)
右《キャリバンの眠り》
1895-1900年
オルセー美術館
左《エジプトへの逃避》
制作年不詳
オルセー美術館
右《ヤコブと天使》
1907年
ニューヨーク近代美術館
3章 植物学者アルマン・クラヴォー
京都国立近代美術館の《若き日の仏陀》(画像なし)。
4章 ドムシー男爵の食堂装飾
16点より代表で。
左《ひな菊》
1900-1901年
オルセー美術館
5章 「黒」に棲まう動植物
出品リスト上は2章だが、展示会場では5章に置かれていたので、5章扱いで。
左《預言者》
1885年頃、木炭/紙
シカゴ美術館
右《植物人間》
1880年頃、木炭/紙
シカゴ美術館
6章 蝶の夢、草花の無意識、水の眠り
右《神秘》
1910年頃
フィリップス・コレクション
左《花の中の少女の横顔》
1900-1910年頃
岐阜県美術館
フランス語では、蝶と蛾は同じ単語が用いられており、区別されていないそうだ。ドイツ語・スペイン語も同様。英語やイタリア語では区別されているそうだ。
《蝶》
1910年頃
ニューヨーク近代美術館
トゥエンテ国立美術館は初めて名を聞く。
右《コンポジション:花》
制作年不詳
トゥエンテ国立美術館
左《幻影》
制作年不詳
ボルドー美術館
左《オジーヴの中の横顔》
制作年不詳、パステル/紙
ボルドー美術館
右《ステンドグラス》
1907年頃
ニューヨーク近代美術館
7章 再起と想起という二つの岸の合流点にやってきた花ばな
花瓶の花が並ぶ章。MOMAと広島、どちらの作品の方が質が高いと思いますか?
左《首の長い花瓶にいれられた野の花》
1912年頃
ニューヨーク近代美術館
右《青い花瓶の花》
1912-1914年頃、パステル/厚紙
ひろしま美術館
左《野の花のいれられた花瓶》
1910年頃
NGAナショナルギャラリー、ワシントン
右《大きな花瓶》
1912年頃
NGAナショナルギャラリー、ワシントン
8章 装飾プロジェクト
《タペストリー用下絵》2点
1910年
モビリエ・ナショナル
奥
ロラン・ルスタン(ルドンの下絵に基づく)
《ひじ掛け椅子》
1911-1913年
モビリエ・ナショナル
ブロガー内覧会の機会を設けていただいて、関係者の方々に感謝いたします。
会場内の画像は、ブロガー内覧会時に、主催者の許可を得て撮影したものです。