この前の日曜日、「大遣唐使展」に行ってきました。
奈良国立博物館の開館は9:30。
その前に9:00開館の興福寺のリニューアルオープンされた国宝館に行きました。
ここではなんといっても阿修羅像。
昨年は2回、東京国立博物館の「国宝 阿修羅展」、興福寺の「お堂でみる阿修羅」展で見ています。
どちらもよかったですが、特に阿修羅像をセンターに八部衆・十大弟子像が仮金堂に安置された後者が印象的。
場所がお堂とはいっても、展覧会のノリであることには違いないですが、それでもやはり博物館とは雰囲気が違います。
開館20分前に到着して入場は10時少し前と、1時間少し並びましたが、堂内では入場規制のおかげかストレスを感じるほどの混雑ではなく、結構自由に動けて、存分に堪能できました。
11時前に退出しましたが、その時点では2時間を超える待ち時間と大人気の展覧会でした。
さて、今回の阿修羅像。昨年の大活躍のためか、やや疲れた表情に見えました。
(観賞者の心情がそのまま映し出されたということかもしれません。)
もうひとつ、仏頭。なぜか見入ってしまいます。
東京国立博物館で以前開催されていた一点もの企画展シリーズの一つに「仏頭」展があり、そのときも見入ってしまいました。その後旧国宝館で見たときも同様。そして今回も。
頭だけなのになぜそんなに見入ってしまうのか、普通に胴体が下にあればそれほどでもないだろうに。私の大のお気に入りです。
20分ほどで退館し、奈良国立博物館へ。開館時刻ちょうどの到着。チケット購入後入館。
会期終盤ということもあり大混雑。
今回の観賞では時間がなく、最初から順番に見て気に入った物を見つける戦略は取れない。この分野には暗いので、割り切ってチラシで紹介の次の3点を中心に見ることとしました。
1 吉備大臣入唐絵巻(ボストン美術館)
2 観音菩薩立像(ペンシルバニア大学博物館)+聖観音菩薩立像(薬師寺)
3 照夜白図(メトロポリタン美術館)
入場すぐに2が展示。「美しき観音像 時を超えて夢の共演」「日本と唐を代表する2体の観音像を世界で初めて同時に展示」
たいへんな人。遠くから眺めるしかない。
1は「伝説の絵巻、ついに帰還」「幻の国宝と称される」「第1巻と第4巻は27年ぶりの日本公開」
これまたたいへんな行列。並びましたが進まない。やっと順番が来たら、意外に短い絵巻。というよりも、展示されている部分が少しということなのでしょう。
特に印象に残る描写はありませんでした。関西のおじさん・おばさんの進まないことにいらだつ声のほうに意識がいってしまったというのが実情です。このような行列だと普通は係員が常時張り付き列の進行を促すものですが、ここでは、ときどき思い出したように促すことはあっても、基本はほったらかしでした。
この絵巻のストーリーは変。
「囲碁のルールを知らない吉備真備が唐の囲碁名人と勝負することとなる。隙を見て碁石を飲み込む。それを役人に気付かれ下剤を飲まされる。が、碁石を胃袋の中にキープし、役人も碁石を(どこから?)発見できず、見事勝利を得る」とはなんなのだろう。
3は「遣唐使が見た中国絵画の神髄」「唐の皇帝・玄宗の愛馬を描いた中国絵画の動物画史上、随一の名画」
この馬はなかなかおもしろかったです。
3点のノルマをクリアした後、大混雑の第一会場を出て、長い地下通路を通って第二会場へ。こちらは開館後時間もそうたっていないためか、混雑しておらず、ひととおり一瞥することができました。
11時前に退館。
本展は明日が最終日。さらなる混雑となるのでしょうか。