ボッティチェリとルネサンス-フィレンツェの富と美
2015年3月21日~6月28日
Bunkamuraザ・ミュージアム
「Money and Beauty」の「Money」の部分も楽しみたい。
序章 富の源泉 フィオリーノ金貨
金貨模様に囲まれたボッティチェリの聖母子像をフィオリーノ金貨の実物が囲む。
フィオリーノ金貨のほか、「模造」金貨、純度を確かめる「噛み跡」が残る金貨、塵も積もればと「こそぎ取り」された銀貨もある。
No.01≪フィレンツェ共和国貨幣局行政官の規約≫1314-1461年
写本。
表は、フィレンツェの百合の紋章。裏は、守護聖人洗礼者聖ヨハネが描かれる。これらは、フィオリーノ金貨に刻印された図像。
展示は、裏を上向きに、表は下向きで鏡を通じて見る形。
1章 ボッティチェリの時代のフィレンツェ-繁栄する金融業と商業
No.23 ≪メディチ銀行発行の為替手形≫
1424年5月15日付。4cm×22.5cm。紙。
No.26≪永遠の生の象徴図 マルコ・ダ・モンテガッロ『新旧約聖書における戒律と教会法令集』より≫1494年
経営上の必要経費に相当する低い利息で、逼迫した人たちのために担保貸しを行う「公益質屋」は、フランチェスコ会修道士の尽力によりフィレンツェにも創設される。
この木版画には、「公益質屋」を象徴する「慈悲の山」を中心として、説教する修道士と説教を聴く裕福な人たち、慈悲の山に近づきそれぞれが必要とする物を受け取ろうとする逼迫した人たち、などが描かれる。
2章 旅と交易 拡大する世界
No.27≪航海図(平面球形図法)≫1457年
ヨーロッパ、アフリカ、南側が開けたインド洋、アジアまでが描かれる。
日本は、ふたつの大きな島からなるものとして表されている。どれかわかりにくいけど。
No.36 ボッティチーニ≪大天使ラファエルとトビアス≫1485年頃
旧約聖書外典「トビト記」、未知の危険な土地を大天使ラファエルによって安全かつ健やかに案内されるトビアスの図像は、14-15世紀にフィレンツェにおいて普及する。当時、フィレンツェの商人や銀行家の子弟は、10代前半に、危険を伴う長旅に出るのが常になっていたという。
3章 富めるフィレンツェ
フラ・アンジェリコによる祭壇画のプレデッラ2点のなかに、結婚および葬儀に対する奢侈禁止令の影響を探る。
4章 フィレンツェにおける愛と結婚
No.45 スケッジャ≪スザンナの物語≫1450年頃
No.48≪「スザンヌの物語」が彫られた櫛≫15C末-16C初頭
聖書外典の物語「スザンヌの物語」は、貞淑と恥じらいという女性の美徳を称賛するものであるため、女性への結婚の贈り物の品に、もっとも頻繁に表わされた主題の一つであるという。
本展では、カッソーネ(婚礼用長持ち)と櫛が展示される。
5章 銀行家と芸術家
ボッティチェリ10点(帰属、工房含む)ほか
6章 メディチ家の凋落とボッティチェリの変容
No.71≪パッツィ家の陰謀のメダル≫1478年
1478年4月26日日曜日に起こったパッツィ家の陰謀。そのすぐ後、弟を偲んだロレンツォにより発注されたもの。
表は、ロレンツォの横顔の下に、大聖堂の内陣、聖具室に逃れて難を逃れる場面。
裏は、弟ジュリアーノの横顔の下に、暗殺の瞬間の場面。
が彫られているとのことだが、わかりにくい。
サヴォナローラは、肖像メダル、肖像画、火刑場面を描く油彩画の3点。
最後のコーナーは、ボッティチェリの晩年作品として、「ボッティチェリと工房」作3点が並ぶ。