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2020年10月、長期休館前のモネ室(国立西洋美術館常設展示)

2020年10月15日 | 国立西洋美術館常設展示
   国立西洋美術館は、モネ油彩画を16点を所蔵する。
   ポーラ美術館の19点に次ぐ、日本で2番目のモネ油彩画所蔵美術館である。
   正確には、寄託2点を含む数であるが、その2点の寄託開始は1960年&1967年と50年を超え、国立西洋美術館の一部になっているとも言える(だからといってこの先もずっと国立西洋美術館にあるとは言えないけど)。
 
   2020年10月現在、新館2階常設展示の「モネ室」では、16点のうち10点が展示されている。
 
 
モネ
《並木道(サン=シメオン農場の道)》
1864年
・松方コレクション
・パリの画廊から購入
・1959年にフランス政府から寄贈返還
 
 
モネ
《雪のアルジャントゥイユ》
1875年
・松方コレクション
・パリの画廊から購入
・1959年にフランス政府から寄贈返還
 
 
モネ
《舟遊び》
1887年
・松方コレクション
・モネのアトリエから直接購入
・1959年にフランス政府から寄贈返還
 
 
モネ
《エプト河の釣人たち》
1887年、寄託作品
(撮影不可)
・1920年にパリの画廊で日本人が購入し、日本へ。
・1967年から館に寄託。
 
 
モネ
《陽を浴びるポプラ並木》
1891年
・松方コレクション
・パリの画廊から購入
・1959年にフランス政府から寄贈返還
 
 
モネ
《チャーリング・クロス橋、ロンドン》
1902年頃
・松方コレクション
・モネのアトリエから直接購入
・1959年にフランス政府から寄贈返還
 
 
モネ
《ウォータールー橋、ロンドン》
1902年
・松方コレクション
・おそらくモネのアトリエから直接購入
・1959年にフランス政府から寄贈返還
 
 
モネ
《睡蓮》
1916年
・松方コレクション
・モネのアトリエから直接購入
・1959年にフランス政府から寄贈返還
 
 
モネ
《黄色いアイリス》
1914-17年頃
・モネの次男が相続し、その後売却。所蔵者が何度か変わったのち、1986年に館が購入。
 
 
モネ
《睡蓮、柳の反映》
1916年
・旧松方コレクション
・モネのアトリエから直接購入
・寄贈返還の際に破損作品として返還作品リストから漏れ、そのまま忘れ去られる。2016年にルーヴル美術館の収蔵庫にて再発見。2017年12月、松方家からの寄贈という形で、館の所蔵となる。
 
 
 
非展示の6作品も挙げる。
 
モネ
《ラ・ロシュ=ギュイヨンの道》
1880年
・松方コレクション
・パリの画廊から購入
・1959年にフランス政府から寄贈返還
 
 
モネ
《芍薬の花園》
1887年
・松方コレクション
・おそらくモネのアトリエから直接購入
・1959年にフランス政府から寄贈返還
 
モネ
《波立つプールヴィルの海》
1897年
・松方コレクション
・おそらくモネのアトリエから直接購入
・1959年にフランス政府から寄贈返還
 
モネ
《ヴェトゥイユ》
1902年
・松方コレクション
・おそらくモネのアトリエから直接購入
・1959年にフランス政府から寄贈返還
 
モネ
《セーヌ河の朝》
1898年
・日本・個人蔵を経て、1965年に館が購入
 
モネ
《柳》
1897-98年頃、寄託作品
・1922年頃から日本・個人蔵。当個人は松方から購入した、という話があるため、「伝」旧松方コレクション。1960年から館に寄託。
 
 
12点:松方コレクション
    11点:フランス政府から寄贈返還
    1点:松方家からの寄贈という形
2点:館が購入
2点:寄託作品
    うち1点が「伝」旧松方コレクション
 
 
   『松方コレクション  西洋美術全作品 第1巻   絵画』によると、松方コレクションには、モネは33点あったという(うち1点が「伝」松方コレクション作品)。
    うち13点が国立西洋美術館にある。
    他の20点はどこにあるのか。
 
アーティゾン美術館  2点
大原美術館  1点
個人蔵(愛知県美術館寄託)1点
ルガーノ市立美術館  1点
キンベル美術館  1点
フレッド・ジョーンズ・ジュニア美術館(オクラホマ大学)  1点
テル・アヴィヴ美術館  1点
個人蔵      8点
所在不明   4点
 
   日本にある作品、海外にある作品。所在不明を除くと、大体半々のようである。
 
 
   さて、国立西洋美術館は、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展終了後、前庭の下にある企画展示室上部の防水工事のため約1年半の長期休館に入る。しばらく国立西洋美術館コレクションは見ることができない。その間、地方巡回展を予定しているのだろうか?


2 コメント

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Unknown ()
2020-10-15 19:03:13
てんちゃん 様
コメントありがとうございます。
国立西洋美術館の長期休館は、「前庭の下にある企画展示室上部の防水工事」のためとのことですが、あわせて前庭を創設当初の姿に戻すようです。植栽を取り払うようです。敷地内への一般立ち入りはできないと思われます。
https://www.nmwa.go.jp/jp/education/pdf/zephyros_83.pdf
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休館 (てんちゃん)
2020-10-15 08:43:16
 絵の下から2枚目は、確かNHKが補修状況を放送していたものですね。現在の状態でも、ちょっとした抽象画で、なかなか面白いと思います。

 西洋美術館長期休館ですか。巡回展が企画されているといいですね。前庭も閉めるのでしょうかね。あそこはのんびりロダンを鑑賞できてとてもいいところです。 
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