東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

ホドラー展(国立西洋美術館)

2014年10月11日 | 展覧会(西洋美術)

フェルディナント・ホドラー展
2014年10月7日~2015年1月12日
国立西洋美術館


 ホドラーが気になったのは、随分昔、美術に興味を持ちはじめてすぐの頃、ベルン美術館所蔵の次の4点を知ったことによる。

≪夜≫1889-90年
≪昼≫1899-1900年
≪絶望せる魂≫1892年
≪選ばれし者≫1893-94年

 特に≪夜≫は一体どんな場面が描かれているのか、全く想像できなかった。


 その後、ホドラーがスイスの国民的画家と呼ばれていること、スイスの紙幣のデザインを担当したこと、上記4点のような象徴主義作品のほか、アルプスの山を描いた作品でも知られていること、などを知る。
 散発的にホドラー作品を見る機会にも恵まれる。近年だと、2010年のヴィンタートゥール美術館展で3点の作品を見ている。アルプスの山を描いた作品が魅力的であることを認識する。
 ただ、象徴主義作品を見る機会はなく、非常に気になっているけれど、好みなのかどうか、はっきりさせる機会がない状況が続く。


 国立西洋美でのホドラー展の開催を知る。
 日本・スイス国交樹立150周年記念。1975年以来、約40年振りの日本での回顧展となるそうだ。
 俄然、ホドラーに対する関心が高まる。

 書籍がないか、と調べる。
 和書は、どうやら約40年前の回顧展図録しかないようだ。
 洋書は、ホドラーは2018年が没後100年にあたり、その頃は多数出るのだろうが、現時点でも相応数あることがわかる。
 もっぱら図版を眺めるだけの私、実物を見ないでの購入となると、文章メインというリスクを避けるため、展覧会図録を探す。

 近年の展覧会としては、次の3つかな。なお、2と3が同じ企画なのかどうかはわからない。
1:Ferdinand Hodler: View to Infinity、2012-13年、NY、バーゼル
2:Ferdinand Hodler: A symbolist vision、2008年、ベルン、ブダペスト
3:Ferdinand Hodler 1853-1918、2007-08年、パリ

 やはり出身国スイスで開催された展覧会だよね、と2の図録を購入する。
 分厚い本。象徴主義作品も、多数の図版が掲載されていて、実物を見たいなあと思う。期待を高める。
(ちなみに、国立西洋美のミュージアムショップでも、1と2の図録を置いている。)


 9月22日、株式会社ウィンダムさんから、プレス内覧会の案内をいただく。
 会期初日の前日、月曜日の午後。
 通常だと平日はパスするが、1日でも早く見たいと、目途が立ちそうなので、申し込む。


 国立新美術館のチューリヒ美術館展を訪問する。
 ホドラーの部屋がある。6点。

 象徴主義作品が2点。
≪真実、第二バージョン≫1903年
≪遠方からの歌≫1917年頃

 アルプスを描いた作品が4点。
≪日没のマッジア川とモンテ・ヴェリタ≫1893年
≪ケ・デュ・モンブランから見たサレーヴ山≫1914-15年
≪日没のレマン湖≫1915年
≪朝方の峰≫1915年

 長年見る機会のなかった象徴主義作品、素晴らしくて、長く眺めることとなる。アルプスの作品も素敵である。
 この日をもって、ホドラー・ファンを名乗ることとする。

 そして、10月6日、台風18号が通り過ぎ、天候が回復した時間帯、国立西洋美術館を訪問する。



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