東京でカラヴァッジョ 日記

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「ゆかた 浴衣 YUKATA」展(泉屋博古館分館)

2019年06月18日 | 展覧会(その他)
ゆかた 浴衣 YUKATA 
すずしさのデザイン、いまむかし
2019年5月28日~7月7日
泉屋博古館分館


   「ゆかた」の語源は「湯帷子(ゆかたびら)」にあるという。
   風呂といえば蒸し風呂だった時代、といっても上級武士など裕福な家のみのことであるようだが、入浴中に裸を晒さないよう必ず着ていたのが麻の肌着「湯帷子」。浴後の汗の吸い取りとしても着用したようだ。
   江戸時代の中頃、17世紀末頃から、裸で湯に浸かる町風呂(銭湯)が普及する。時を同じく。庶民の衣服生地として木綿が普及する。
   すると、木綿製の「ゆたか」が庶民の浴後のくつろぎ着となる。さらに、夏季限りだが銭湯への往復時にも着用されるようになる。さらに、夏季限りだが、盆踊り、花火見物、蛍狩りのときなどちょっとした外出着としても着用されるなど、多様な用いられ方がなされるようになる。
 
 
 
【本展の構成】
第1章   描かれたゆかた   夏のカジュアル・ファッション 
   ・ゆかた美人
   ・夏の楽しみ   夕涼み
   ・ゆかたダンディ
第2章   江戸時代のゆかた
   ・武家男性のゆかた   ゆかたの原点
   ・町方女性のゆかた   大胆な意匠
第3章   型染のゆかた   「いき」の美意識
テーマ展示   模様で遊ぶ   ゆかたの型紙
テーマ展示   ゆかたを注文する   型染見本帳・型染見本裂
第4章   絞りのゆかた   おおらかな美
第5章   昭和のゆかた   モダン・テイスト
第6章   人間国宝のゆかた   技術のきわみ
テーマ展示   画家がデザインしたゆかた 教養とあそび心
テーマ展示   現代のゆかた
テーマ展示   おしゃれな髪飾り   櫛・簪
  
 
 
・江戸時代(17世紀後半)から現代までのゆかたが展示。
   プラス、浮世絵(肉筆、版画)のゆかた美人&ダンディ、および岡田三郎助のゆかた美人。など。
・江戸時代のゆかたは、秋や冬を連想させるモチーフが多かったが、昭和になって夏の風物を直接表すことが多くなっており、その背景に冷房環境の改善がある、とのこと。
・人間国宝製作のゆかた(前期展示3点)は、まさに芸術作品。一体どんな人がどんな場で着るのだろうか。
 
・本展は、昨年夏に島根県立石見美術館で、今年夏には泉屋博古館別館の次に川越市立美術館で開催され、来年夏にも2カ所を巡回するようだ。3年かけての夏企画。




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