仁和寺と御室派のみほとけ
天平と真言密教の名宝
2018年1月16日~3月11日
東京国立博物館
仏像目当ての方は、第二会場から鑑賞した方がよいかもしれない。第一会場には仏像は登場しない(ただし、後期は1点登場するようだ)。
仏像目当ての方は、後期(2/14〜)のみ訪問、前期はパスでも問題ないと思われる。仏像は通期展示が基本で、前期のみ展示は無く、後期のみ展示が2点、かつ、後期展示の2点は共に本展の目玉仏像である。
ただし、国宝《三十帖冊子》(1/28まで全帖展示、以降は2帖ずつの展示)や絵画、書跡、工芸品も楽しみにする方は、前期訪問も必要だろう。仏像以外の展示品は、ほぼ前後期で入れ替わる。
さて、第一会場から順序どおりに見る私、今一つ盛り上がらないまま第二会場へ、そして登場する「仁和寺観音堂の再現展示」。
なんと写真撮影可。しかも展示の仏像33体は、複製などではなく、江戸時代・17世紀に制作された実際に観音堂に安置されている仏像である。
仁和寺では現在、観音堂の解体修理が行われています。観音堂は修業の場であるため非公開ですが、本展では33体の安置仏を展示するとともに、堂内の壁画を高精細画像によって再現して、一般にはふれることのできない堂内の厳かな空気を体感していただきます。
仁和寺観音堂について
仁和寺観音堂は、延長6年(928年)に創建され、当初は観音院と称されていました。度重なる焼失にも関わらずその度に再建され、現在の堂宇は江戸時代初期、正保4年(1647年)頃の建築です。
観音堂の須弥壇正面壁をはじめ内陣の板壁や柱は、江戸時代に京都で活動した画家・木村徳応の手になる極彩色の壁画で彩られます。本尊である千手観音に合わせ、観音菩薩の様々な姿やその救いの有り様を描いた濃密な絵画空間は、近世の仏画作品にあって特筆すべき存在といえるでしょう。
観音堂の群像について
千手観音とその従者である二十八部衆。これに風神・雷神を加えて三十尊とする構成は、京都の三十三間堂にならっている。千手観音に不動明王と降三世が脇侍となる三尊構成は珍しい。
最終の第5章、「御室派のみほとけ」30体(前期)が次々と展開される。
みほとけのキャッチコピー。
No.164
「密教の五つの智慧をあらわす」
No.152
「日本風仏像表現の源流」
No.156
「出家前の釈迦の姿」
No.158
「関東に伝わる天平彫刻」
No.157
「鎌倉時代に流行した霊像の模造」
No.160〜161
「2.5m超の異形の密教尊像」
No.165&No.159
「真言密教の中心 大日如来」
No.163
「密教の実践修行の拠点-広沢流 遍照寺」
No.171
「仏と神が混合した姿」
No.169
「頂から厳島を見守る不動明王」
No.170
「源平合戦の舞台、屋島の本尊」
No.166
「流麗な姿をした秘仏」
No.172
「眼病快復祈願の秘仏」
No.168
「100万ドルの夜景をのぞむ秘仏」
←何処でしょうか?
No.162
「若狭の秘仏」
いずれも魅力的な仏像。
強いて1点を挙げると、
No.172
「眼病快復祈願の秘仏」
《千手観音菩薩坐像》
平安時代12世紀
徳島・雲辺寺
仏様の目の雰囲気が独特だなあ、と解説を見ると「眼病快復祈願の秘仏」。数えきれないほど多くの人たちがこの仏様に眼病快復を祈願してきたのだなあ、しみじみその目を見る。
後期展示の2点は是非観たい。再訪予定。
No.9
《薬師如来坐像》
円勢・長円作
平安時代・1103年
仁和寺
No.167
《千手観音菩薩坐像》
奈良時代・8世紀
大阪・葛井寺