東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

台北 國立故宮博物院-北宋汝窯青磁水仙盆(大阪市立東洋陶磁美術館)

2017年02月04日 | 展覧会(東洋・アジア美術)

台北 國立故宮博物院-北宋汝窯青磁水仙盆
2016年12月10日〜2017年3月26日
大阪市立東洋陶磁美術館

 

【2017.3.20追記】

   新幹線に乗らずに済む距離だったら、もう一度行きたいなあ。
   と思っていたが、1月下旬のような落ち着いた環境で観るのはもう無理そう。3/20の美術館サイトには、以下の情報が。

   現在、特別展「台北 國立故宮博物院-北宋汝窯青磁水仙盆」では入場制限を実施しております。

   ご入場までに30分程度お待ちいただくことがございます。

   ご了承ください。

 

   3ヶ月ぶりの関西プチ美術旅行である。

 

   東京駅6:00の始発新幹線に乗り新大阪駅へ、地下鉄で淀屋橋に移動、ベローチェで土佐堀川や大阪市役所、日本銀行大阪支店を眺めながらコーヒーを飲み、中之島のこの辺りを歩くのは初めてだなあと思いつつ、建物が重要文化財に指定されている大阪府立中之島図書館や大阪市中央公会堂を見ながら、開館時刻少し前に大阪市立東洋陶磁美術館に到着する。

 

「人類史上最高のやきもの 海外初公開、初来日」である。


「もう、二度と出会えないかもしれない。たった6点、世紀の展覧会」である。

 


   やきものには全く興味がなくても展覧会好きの私、そこまで言われると、気になる。


   世界に6点しかない「北宋汝窯青磁水仙盆」のうち、台北 國立故宮博物院の4点と本美術館所蔵の1点の計5点を集めたという“マニアック”展覧会だと聞くと、ますます気になる。
(あと1点は、欧米のどこかと解説にあった気がする。)

 

   会期早々に評判になったことに助けられ、3ヶ月半という長めの会期にも助けられ、さらに会場が関西であることに助けられ、大阪市立東洋陶磁美術館初訪問となる。

 


   本美術館の展示室は2階。階段で上がってすぐ右手の展示室が特別展会場。

 

   やきものはスルーしてきた私、四方の展示ケースに、同じような大きさ・形・色のやきものが6点+その附属品数点が並ぶ会場、どう鑑賞すればよいか?


   分からないながらも、まずは最高峰とされる作品からと、出品番号1「人類史上最高のやきもの」「神品降臨」《青磁無紋水仙盆》の展示ケースに向かう。


   それから、その左側のケースの出品番号4「無銘の帝王」《青磁水仙盆》と、右側のケースの出品番号3「最大サイズの水仙盆」《青磁水仙盆》を見る。


   1は、色が違う。ムラがない。色が透き通っている。傷がない。ヒビ模様がない。内側も外側も滑らか。形も整っている気がする。確かに3点のなかでは一番かも。


   それから、出品番号2「天青色の極み」《青磁水仙盆》と、出品番号5「伝世汝窯青磁の日本代表」《青磁水仙盆》を見る。


   2は、1と比べると色が濃い目。だから「天青色の極み」なのか。5の日本代表は、2と同じケースに展示されてお気の毒。


   もう1点、張り出し展示ケースの出品番号6「汝窯青磁水仙盆へのオマージュ」、18世紀の清朝でつくられた《倣汝窯青磁水仙盆》は、確かに他5点と比べるのもおこがましいレベルだなあ、とおこがましくも思う。

 

   今回の鑑賞は、色彩に絞ることとする。5点の汝窯青磁水仙盆の色彩をひたすら眺める。


   他の展示室では、館所蔵作品を中心とする本展にちなんだ特集展示「宗磁の美」をやっていて、東博の特別展でついこの間見かけた国宝《油滴天目茶碗》や、回転展示の重文《木葉天目茶碗》、最近になって汝窯青磁の国内3点目として確認されたらしい個人蔵の《青磁盞》などを見る。


   そして、特別展会場に戻って、5点の汝窯青磁水仙盆の色彩をひたすら眺める。(附属品はパスする。)


   分からないながらも、それを何回か繰り返して、相応に楽しむ。

 

以下、勉強メモ。

北宋汝窯青磁水仙盆とは何か。


   中国・北宋時代(960〜1127)末期、河南省の陶窯である「汝窯(じょよう)」にて、宮廷用に焼成された青磁。


   青磁だから、青色の磁器だが、汝窯の青色は、色々ある青色のなかでも「天青色(てんせいしょく)」「雨過天青雲破処(雨上がりの雲の破れ目から見える青い天)」で、青磁の最高峰であるという。


   水仙盆と聞いて浮かぶのは、まさしくこんなイメージ、

であるが、この綺麗な名前は、実は20世紀になってから付けられた名前であって、制作当時の北宋時代の宮廷で何に用いられていたのかは分かっていないという。なるほど、実用向きの形をしていない。


   「北宋汝窯青磁水仙盆」は世界に6点しかないという。

   そこまでマニアックに対象を絞れば、そりゃ数も少なくなるだろうと思ったが、「水仙盆」を外して「北宋汝窯青磁」と対象を広げたとしても、90点ほどしか現存せず、また日本には3点しかないというから、とにかく貴重らしいことは理解した。

   その貴重な「北宋汝窯青磁」は、2014年の東博「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」展で4点ほど出品されたようだ。見ていない。《白菜》ばかり意識していた。

 



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