東京でカラヴァッジョ 日記

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「カタストロフと美術のちから」展より、日本の作家3選(森美術館)

2018年12月30日 | 展覧会(現代美術)
カタストロフと美術のちから
2018年10月6日~ 19年1月20日
森美術館


   「カタストロフ」は「大惨事」の意。
   自然災害、戦争、テロ、難民問題、事故、国際金融危機。個人的な悲劇。
   「美術は社会を襲う大惨事や個人的な悲劇とどのように向き合い、私たちが再生を遂げるためにどのような役割を果たすことができるのか。」「本展は、負を正に転ずる力学としての「美術のちから」について注目し、その可能性を問いかけ」る。
 
 
   国内外の作家40組より、日本の作家3選。
 
 
堀尾貞治
《震災風景》シリーズより
1995年
芦屋市立美術博物館
 
   1995年1月17日、阪神淡路大震災。画家自身も被災し避難所生活を余儀なくされる。被災した街を絵で残すべき、という叔父の助言をきっかけに制作を開始する。
   本展には40点が横10点×縦4点、左から右へ、上から下へと制作日付順に並ぶ。
 
 
左上の作品
 
右下の作品
 
 
 
平川恒太 
《ブラックカラータイマー》  
2016-2017年
作家蔵
 
   108個の電子時計、それぞれに福島第一原発事故後に現地で従事した作業員の肖像が、黒い顔料で描かれる。時計の秒針が108本同時に奏でる音という仕掛けは、制限時間を報せるウルトラマンのカラータイマーのようであるらしい(私のときは鳴っていなかった)。
 
 
 
武田慎平
《痕》シリーズより
右《痕#3霞ヶ浦海軍航空隊基地跡》
左《痕#7二本松城》
2012年
アマナコレクション

   東日本大震災後に、東北・関東地方の名所・旧跡を中心とする生死の記憶が強い場所から土を採取し印画紙を放射線で感光させたもの。
   白く光る無数の点は、一見すると夜空の星のようだが、実は放射能物質という不可視の粒子がフィルムに焼き付けた「痕跡」。



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