東京でカラヴァッジョ 日記

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ベラスケスによるスペイン王家の肖像画

2018年03月11日 | プラド美術館展2018
プラド美術館展
ベラスケスと絵画の栄光
2018年2月24日〜5月27日
国立西洋美術館
 
 
   1599年セビーリャ生まれのベラスケスは、1623年、国王付きの宮廷画家となる。24歳の頃である。
 
   当時のスペイン国王は、1621年に父王死去により後を継いだフェリペ4世。1605年生まれ、ベラスケスより6歳年下。
 
   ベラスケスの没年は1660年、フェリペ4世の没年は1665年。
   宮廷画家の37年間はずっとフェリペ4世の治下にある。
 
   ベラスケスは、王家の人々の肖像画を多数制作する。
   以下、プラド美術館所蔵作品を中心に主な肖像画の画像を掲載する。本展出品作は、うち2点である。
 
 
 
本人
フェリペ4世
1605-1665
在位:1621-1665
   スペイン・ハプスブルク朝の5代目君主
 
↑  本展出品作
 
 
 
フェリペ3世
1578-1621
在位:1598-1621
   スペイン・ハプスブルク朝の4代目君主。父フェリペ2世と4番目の妻アナ(実妹の娘)との間に生まれた待望の後継ぎであった。
・初代:フェリペ1世(1478-1506、在位:1504-1506)
・2代:カルロス1世(カール5世)(1500-1558、在位:1516-1556)
・3代:フェリペ2世(1527-1598、在位:1556-1598)に次ぐ4代目君主。
  
 
 
マルガリータ・デ・アウストリア
1584-1611
   オーストリア大公カール2世(神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世の弟)の娘。神聖ローマ皇帝フェルディナンド2世の妹。
   8人の子供を産み、5人が成人している。
 
 
アナ
1601-1666
   フランス王ルイ13世の王妃となり、ルイ14世の母となる。ベラスケスが宮廷画家となる前、1615年に結婚しているので、作品無し。
 
 
マリア・アナ
1606-1646
   神聖ローマ皇帝フェルディナント3世(1608-1657)の最初の皇妃。その娘マリアナは兄フェリペ4世の二番目の王妃となる。
 
 
カルロス
1607-1632
   24歳でチフスにより死去。当時の王族としては例外的に芸術家・画家としての専門的な訓練を受けたらしい。
 
 
フェルディナンド
1609-1641
   枢機卿。ネーデルラント総督。
 
 
 
最初の妻
イサベル・デ・ボルボン
1602-1644
   フランス王アンリ4世の長女。ルイ13世の妹。
   フェリペ4世との間に8人の子を産むが、5人はすぐ死亡、1人は2歳で死亡。
↑ウィーン美術史美術館
 
 
 
最初の妻との間の息子
バルタサール・カルロス
1629-1646
   ベラスケスの作品数が多い、期待の後継ぎも、17歳で病死。
↑ボストン美術館
 

↑  本展出品作
 
 
最初の妻との間の娘
マリア・テレサ
1638-1683
   フランス国王ルイ14世の王妃となる。
   ベラスケスはその結婚式の総監督を務め、無事に式を終了させた2ヶ月後に死去する。
↑ウィーン美術史美術館
 
 
 
二番目の妻
マリアナ・デ・アウストリア
1634-1696
   前述どおり、フェリペ4世の実妹の娘。もとは、17歳で死去した後継ぎ息子バルタサール・カルロスの婚約者であった。
   5人の子供を産むが、1人はすぐ死亡、1人は1歳で死亡。
 
 
二番目の妻との間の娘
マルガリータ
1651-1673
   ベラスケスの筆で知られる美少女「マルガリータ」ちゃん。
   15歳で神聖ローマ皇帝レオポルト1世(母の実弟にあたる)の王妃となり、6人の子供を産むが、第6子出産直後に21歳で死去。子供で成人したのは娘1人のみ。
↑ウィーン美術史美術館
↑ウィーン美術史美術館
↑ウィーン美術史美術館
 
 
 
二番目の妻との間の息子
フェリペ・プロスペロ
1657-1661
   待望の後継ぎであったが、4歳で病死。
↑ウィーン美術史美術館
 
 
二番目の妻との間の息子
カルロス2世
1661-1700
在位:1665-1700
   ベラスケス死去の翌年、兄フェリペ・プロスペロ王子が亡くなった5日後に誕生した「奇蹟の子」。しかしすぐに「呪いをかけられた子」と言われるようになる。べラスケス死去後の誕生なので、作品無し。
   フェリペ4世逝去に伴い、わずか4歳で即位。2度結婚するが後継ぎは期待できず、その死をもってスペイン・ハプスブルク朝は断絶。
 
 【カルロス2世の物語】
 
 
 
   スペイン・ハプスブルク家の血の濃さぶり。中野京子氏『「怖い絵」で人間を読む』(NHK出版生活人新書)が分かりやすい。


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