東京でカラヴァッジョ 日記

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京都-洛中洛外図と障壁画の美(東京国立博物館)

2013年10月19日 | 展覧会(日本美術)

京都-洛中洛外図と障壁画の美
2013年10月8日~12月1日
東京国立博物館


2部構成。
第1部は、洛中洛外図屏風。
第2部は、京都御所、龍安寺、二条城の障壁画。


第1部。
全7点の洛中洛外図屏風が展示される。
ただし、東博所蔵の舟木本以外は、前後期入替えとなる。
一度に見れるのは4点。
たた、展示外の3点も、写真パネルで紹介されている。

すさまじい人だかり。
特に舟木本。
最前列で見たが、絵になかなか辿り着かない。
辿り着いた後も、一歩(いや半歩、四分の一歩、それ以下)進むのに時間を要する。

舟木本は、東博所蔵なので、気長に待てば総合文化展に登場する。
ただ、こういうイベントでないと、なかなか向き合おうとはしないのも事実。
全く進まないのも良いきっかけ。
今回じっくりと見ることに決めた。

黒いチラシを持つ若いカップルやグループが多いことに気がついた。
しかも、ただならぬ熱心さで、舟木本を見ている。
後で知ったが、リアル宝探しゲーム企画が行われており、舟木本に謎を解く手がかりが隠されているらしい。
どうりで。この人だかりは、それも一因か。

今回見た洛中洛外図屏風は次のとおり。
○重文・舟木本(東博)。近年、岩佐又兵衛作とされたらしい。
○国宝・上杉本(山形・米沢市上杉博物館)
○重文・歴博乙本(千葉・国立歴史民族博物館)
○重文・勝興寺本(富山・勝興寺)

やはり舟木本に惹かれる。雑然度が高い。市井の人々のたたずまいを見るのは楽しい。


第2部。
京都御所、龍安寺、二条城の障壁画の展示空間を再現。
作品自体はともかく、アミューズメント・パークのようで面白い。
混雑は全くなく、皆さんすいすいと進んでいる。

龍安寺の襖絵。
明治28年に龍安寺は手放す。
その後保有した炭鉱王は、昭和8年に71面を一挙公開するも、昭和26年には手放す。
その後散逸。海外にも流出。
存在が確認されているのは27面。
そのうち本展では18面が展示。
米・メトロポリタン美から8面、シアトル美から4面。
龍安寺の6面は、2010年米オークションに出品され、英国人の仲介により、115年ぶりに帰還したものとのこと。

二条城の展示空間の再現。
二の丸御殿 黒書院一の間・その続きの二の間、そして大広間四の間の展示空間の再現。
2方向あるいは3方向から囲まれる。
会場掲示の現地写真と比較したが、概ね忠実に作品が飾られている。
大スペクタル空間。
ただ、展示空間から目を外すと、やはりここは東博の近代的な展示室。


後期も訪問し、残る洛中洛外図屏風3点も見たいが、ますます人が多くなるだろう。
リアル宝探しゲーム企画は11/10に終わるけど、それ以上に来るだろうなあ。
 



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