東京でカラヴァッジョ 日記

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印象派を超えて-点描の画家たち(国立新美術館)

2013年10月20日 | 展覧会(西洋美術)

クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に
印象派を超えて-点描の画家たち
ゴッホ、スーラからモンドリアンまで
2013年10月4日~12月23日
国立新美術館


ゴッホでお馴染みのオランダ・クレラー=ミュラー美術館(以下、KM美)の所蔵作品と、国内美術館の所蔵作品から構成される展覧会。

展覧会名を何と呼べばいいのか。
チケット売場では、「点描展」と称していたようだ。


展覧会の構成と出品作品

1章:印象派の筆触

 モネ2、シスレー3、ピサロ1の計6点。すべて国内美。

2章:スーラとシニャック-分割主義の誕生と展開

<1室目>
 スーラ3、シニャック6、ピサロ2
 ・スーラ3とシニャック4は、KM美。
 ・シニャック2とピサロ2は、国内美。

<2室目>
 スーラ等の素描4、アンリ=エドモン・クロス2、マクシミリアン・リュス4、ドニ3
 ・ドニ1は国内美、
 ・他12点はKM美。

3章:ゴッホと分割主義
 ゴッホが堂々の7点+素描2点。すべてKM美。
 ゴーギャン3ほか計5点の国内美。

4章:ベルギーとオランダの分割主義
 10画家41点。すべてKM美。

5章:モンドリアン
 8点。KM美が5、国内美が3。


個人的な見どころ

やはり第1はゴッホの油彩画。
1)石膏像のある静物(1887)
2)レストランの内部(1887)
3)種まく人(1888)
4)麦束のある月の出の風景(1889)
5)じゃがいものある静物(1888)
6)自画像(1887)
7)若い女の肖像(1890)

≪若い女の肖像≫の出品がうれしい。
モデルは不明らしい。
背景の色は、今はオレンジ系に見えるが、もとは赤色であり、緑の模様と補色効果を狙っていたとのこと。

次は、シニャックの≪ダイニングルーム 作品152≫。
点描画法による、時間が静止した、物音もしない、食卓の光景。
登場人物は、老夫婦と家政婦の3名。
手法は異なるが、カイユボット展で見た≪昼食≫を思い出す。
初めてシニャックの絵に惹かれた。

スーラのなかでは、≪ポール=アン=ベッサンの日曜日≫と2点の素描が興味深い。

マクシミリアン・リュスは、初めて認識する名前。
過酷な労働の現場や、都市や公開の貧しい地区の光景を描いていらたしい。
本展では、その線に沿った作品、モンマルトルから眺めた風景画2点、色鮮やかな大画面の≪鋳鉄工場≫、同じく色鮮やかな≪放浪者≫が出品されている。

最後の章のモンドリアンは、≪コンポジションNo2≫に見入る。


ミュージアムショップで、色鮮やかなキャンディが目に留まる。
ゴッホ、スーラ、シニャック、そしてモンドリアン、全4種類のラインナップ。
それぞれ、本展出品作の色彩に合わせた色のキャンディが小さな瓶に詰められている。
(確か、ゴッホ=黄色、スーラ=青、シニャック=茶色、そしてモンドリアン=白が、メイン色だったかな。)
かなり惹かれたが、キャンディを食べる習慣は持たないことを思い起こし、なんとか購入欲を振り払った。



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