東京でカラヴァッジョ 日記

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2021年の美術館入場者数ランキング

2022年04月15日 | 展覧会(日記)
  『THE ART NEWSPAPER』の記事「Visitor Figures 2021: top 100 art museums」を見る。      
 
 
 2021年の入場者数トップ100の美術館の合計は、7,100万人。
 2020年が5,400万人で、前年対比31%増。
 しかし、2019年の23,000万人と比べ、3割強の水準であり、厳しい状況が続く。
 
(*)ただし、2021年は、例年2位の中国国家博物館が含まれない。それをカウントするともう少し数値は上がるはず。
 
 
 以下、2021年の入館者数トップ20の美術館。
 
 
1位:2,825,000人
 ルーヴル美術館、パリ
2020年対比増減率 +5%
(2020年:2,700,000人、1位)
2019年対比増減率 -71% 
(2019年:9,600,000人、1位)
 
2位:2,260,231人 
 国立ロシア美術館、サンクトペテルブルク
2020年対比増減率 +88%
(2020年:1,203,324人、7位)
2019年対比増減率  -6%  
(2019年:2,394,400人、25位)
 
3位:2,242,405人
 マルチメディア美術館、モスクワ
2020年対比増減率 +421% 
(2020年:不明)
2019年対比増減率 +1%  
(2019年:2,236,000人、不明)
 
4位:1,958,000人
 メトロポリタン美術館、ニューヨーク
2020年対比増減率 +84%
(2020年:1,124,759人、9位)
2019年対比増減率 -68% 
 (2019年:6,479,548人、4位)
 
5位:1,704,606人
 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
2020年対比増減率 +133% 
(2020年:730,408人、21位)
2019年対比増減率 -58%   
(2019年:4,074,403人、10位) 
 
6位:1,649,443人
 エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク
2020年対比増減率 +70% 
(2020年:968,604人、11位)
2019年対比増減率 -67%  
(2019年:4,956,529人、8位)
 
7位:1,643,108人
 ソフィア王妃芸術センター、マドリード
2020年対比増減率 +32% 
(2020年:1,248,486人、6位)
2019年対比増減率 -63%  
(2019年:4,425,699人、9位)
 
8位:1,612,530人
 ヴァチカン美術館
2020年対比増減率 +24%
(2020年:1,300,000人、4位)
2019年対比増減率 -77%  
(2019年:6,882,931人、3位)
 
9位:1,580,819人
 トレチャコフ美術館、モスクワ
2020年対比増減率 +77% 
(2020年:894,374人、13位)
2019年対比増減率 -44% 
(2019年:2,835,836人、20位)
 
10位:1,501,040人
 ポンピドゥー・センター、パリ
2020年対比増減率   +64% 
(2020年:912,803人、12位)
2019年対比増減率 -54%  
(2019年:3,273,867人、16位)
 
11位:1,327,120人
 大英博物館、ロンドン
2020年対比増減率 +4%
(2020年:1,275,466人、5位)
2019年対比増減率 -79% 
(2019年:6,239,983人、5位)
 
12位:1,262,562人
 国立中央博物館、ソウル
2020年対比増減率 +63% 
(2020年:773,621人、19位)
2019年対比増減率 -62%  
(2019年:3,354,161人、15位)
 
13位:1,175,296人
 プラド美術館、マドリード
2020年対比増減率 +38% 
(2020年:852,161人、16位)
2019年対比増減率 -66%   
(2019年:3,497,345人、14位)
 
14位:1,168,821人
 ワルシャワ王宮
2020年対比増減率 +80% 
(2020年:650,000人、28位)
2019年対比増減率 -7% 
(2019年:1,256,920人、54位)
 
15位:1,160,686人
 ニューヨーク近代美術館
2020年対比増減率 +64% 
(2020年:706,060人、25位)
2019年対比増減率 -42%  
(2019年:1,992,121人、31位)
 
16位:1,156,037人
 テート・モダン、ロンドン
2020年対比増減率 -19% 
(2020年:1,432,991人、3位)
2019年対比増減率 -81%  
(2019年:6,098,340人、6位)
 
17位:1,049,183人
 東京都美術館
2020年対比増減率 +106%
(2020年:510,117人、38位)
2019年対比増減率 -63%  
(2019年:2,873,806人、18位)
 
18位:1,044,365人
 オルセー美術館、パリ
2020年対比増減率 +20%
(2020年:867,274人、15位)
2019年対比増減率 -71%  
(2019年:3,651,616人、13位)
 
19位:984,978人
 サマセット・ハウス、ロンドン
2020年対比増減率 +36% 
(2020年:724,310人、24位)
2019年対比増減率 -65%  
(2019年:2,841,772人、19位)
 
20位:969,695人
 ウフィツィ美術館、フィレンツェ
2020年対比増減率 +47% 
(2020年:659,043人、27位)
2019年対比増減率 -59%  
(2019年:2,361,732人、26位)
 
 
 以下は、日本の美術館および最近日本での展覧会に関係した(予定の)海外美術館をピックアップ。
 
22位:881,733人
 国立新美術館、東京
2020年対比増減率 +113%
(2020年:413,316人、49位)
2019年対比増減率 -54%  
(2019年:1,921,526人、32位)
 
28位:766,326人
 プーシキン美術館、モスクワ
2020年対比増減率 +36%
(2020年:564,431人、33位)
2019年対比増減率 -48% 
(2019年:1,481,300人、46位)
 
30位:708,924人
 ロンドン・ナショナル・ギャラリー
2020年対比増減率 -41%
(2020年:1,197,143人、8位)
2019年対比増減率 -88% 
(2019年:6,011,007人、7位)
 
34位:660,741人
 スコットランド国立美術館、エディンバラ
2020年対比増減率 +49% 
(2020年:444,437人、41位)
2019年対比増減率 -70% 
(2019年:1,583,231人、44位)
 
36位:625,000人
 アムステルダム国立美術館
2020年対比増減率 -7% 
(2020年:675,000人、26位)
2019年対比増減率 -77%  
(2019年:2,700,000人、21位)
 
40位:605,214人
 東京国立博物館
2020年対比増減率 -16% 
(2020年:724,762人、23位)
2019年対比増減率 -77%  
(2019年:2,684,754人、22位)
 
57位:477,427人
 ボストン美術館
2020年対比増減率 +91% 
(2020年:249,881人、100位)
2019年対比増減率 -62% 
(2019年:1,261,623人、53位)
 
68位:416,836人
 国立故宮博物院、台北
2020年対比増減率 -35%
(2020年:642,163人、29位)
2019年対比増減率 -89% 
(2019年:3,832,373人、12位)
 
82位:366,359人
 ゴッホ美術館、アムステルダム
2020年対比増減率 -29% 
(2020年:516,990人、37位)
2019年対比増減率 -83%
(2019年:2,100,000人、29位)
 
99位:307,202人
 東京国立近代美術館
2020年対比増減率 +71% 
2019年対比増減率 no data   
 
 
 個々の美術館でも、全体傾向としては、2021年は、2020年対比では増加を記録したものの、2019年の水準と比べるとまだ全然回復していない状況にある。
 
 例外は、ロシアの国立ロシア美術館(2位)とマルチメディア美術館(3位)。
 2021年は、2020年対比で大きく増加したのみならず、2019年の入場者数をも上回る、あるい近い水準まで回復し、順位を大きく上げている。
 その背景にはコロナ事由による閉鎖期間が少なかったことがあるらしい。
(ただし、同じロシアでもエルミタージュ美術館やトレチャコフ美術館、プーシキン美術館は、2019年の水準と比べるとまだまだ回復していない。)
 
 際立って厳しいのは、ロンドンやオランダの美術館。
 2021年は、2019年対比で大きく減少した2020年の水準から、さらに落ち込んでいる、あるいは横這いに近い状況にあり、順位を大きく落としている。
 ロンドンでは、ナショナル・ギャラリーやテート・モダン、大英博物館。
 オランダでは、アムステルダム国立美術館やゴッホ美術館。
 日本では東京国立博物館が、台湾では国立故宮博物院が、そんな状況。
 1位のルーヴル美術館も、横這いに近い状況。
 トップ101以下も確認したならば、もっと存在しているのかもしれない。
 例えば、例年トップ100にはあまり登場しないドイツの美術館も、ロンドンやオランダと同じ状況であるようだ。
 
 
 2022年。
 
 現在のところ新型コロナが終息する気配は見えない。
 さらにロシアのウクライナへの侵攻。
 環境は、引き続き厳しい。
 2019年以前の状況への回復には、まだまだ時間を要する。


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