ボストン美術館×東京藝術大学
ダブル・インパクト 明治ニッポンの美
2015年4月4日~5月17日
東京藝術大学大学美術館
ボストン美術館の所蔵品(B)と東京藝術大学の所蔵品(藝)からなる明治期日本美術の展覧会。
「藝」がウェスタン・インパクト(日本が西洋から受けた衝撃)の象徴、「B」がジャパニーズ・インパクト(西洋が日本から受けた衝撃)の象徴。
プロローグ 黒船が来た!
黒船から始まるウェスタン・インパクトによる激動の20年を浮世絵で辿る。西洋人による日本人の写真。
1 黒船の衝撃
2 来日西洋人の眼差し
3 近代日本美術の胎動
No.01 作者不詳≪ペルリ浦賀上陸図≫19世紀後半(B)
浦賀に来航したペリー艦隊の様子をできるだけ正確に記録しようという絵巻。
No.16 ベアト≪ベアト写真集より「屋台店」≫1860年代(B)
幕末期の日本人写真。
N0.14 高橋由一≪浴湯図≫1878年
初公開を謳う。8人の妙齢の女性による銭湯シーン。ワーグマン作品の模写だという。
No.23 高橋由一≪花魁(美人)≫1872年(藝)
何度も観ているが、ますます惹かれる。
明治5年という時期のこのような絵が残された幸運を想う。
第1章 不思議の国 JAPAN
西洋が好んだ、というべきか、日本が西洋に顕示しようとした、というべきか、日本の絵画(暁斎・是真・渡辺省亭)、工芸品(技巧作品10点強)など。
1 西洋、ニッポンを知る
2 魅惑の輸出工芸品
3 ジャポニズムの画家たち
No.29 高石重義≪竜自在≫18-19世紀(B)
とにかく大きい。194.3cm。現存では世界最大級(国内所蔵では東博所蔵品の130cmが最大)という。
No.30 柴田是真≪野菜涅槃図時絵盆≫1888年(B)
若冲≪果蔬涅槃図≫と同様、大根を釈迦に見立てる。
第2章 文明、開化せよ
Bの錦絵22点により辿る「文明開化」の様相。
1 洋装する日本
2 近代都市の出現
3 博覧会
4 立憲国家へ
5 開化の浮世絵師 小林清親
第3章 西洋美術の手習い
藝の12点によリ辿る「日本における西洋美術の受容の軌跡」。
1 ワーグマンとその弟子たち
2 フォンタネージとその弟子たち
3 ラグーザとその弟子たち
第4章 日本美術の創造
記載省略
第5章 近代国家として
4つの視点から見る近代国家日本。
1 天皇のすがた
2 日清・日露戦争
3 工芸の伝統回帰
4 西洋留学の成果
No.120 初代五姓田芳柳≪明治天皇像(画稿)≫1873年(藝)
掛軸装。
No.134 鈴木松年≪戦勝萬歳図≫1904年(B)
日露戦争の勝利を喜ぶ「提灯行列」を描いた屏風。ボストン美の所蔵力に改めて感心する。
美術そのものというよりも、社会の方に重点があるかなあ(第4章を省略しているので余計にその感)。
上野の桜も最後。