東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

2022年 展覧会ベスト10

2022年12月31日 | 展覧会(日記)
   今年見た展覧会のお気に入りベスト10(今年で13回目)。
 
 

1位:メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年

2022年2月9日〜5月30日
国立新美術館
 
 ラ・トゥール《女占い師》。
 カラヴァッジョ《音楽家たち》。
 クリヴェッリ《聖母子》。
 ディーリック・バウツ《聖母子》。
 マリー=ドニーズ・ヴィレール 《マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ》。
 
 加えて、ダヴィデ・ギルランダイオ《セルヴァッジャ・サッセッティ》、フィリッポ・リッピ《玉座の聖母子と二人の天使》、ペトルス・クリストゥス《哀悼》、ハンス・ホルバイン(子)《ベネディクト・フォン・ヘルテンシュタインの肖像》、クラーナハ《パリスの審判》、レンブラント《フローラ》、フェルメール《信仰の寓意》、ヴァトー《メズダン》、ブーシェ《ヴィーナスの化粧》、など。
 
 このレベルの作品を揃えた海外美術館コレクション展は、2020年のロンドン・ナショナル・ギャラリー展を除けばこれまで経験したことはないし、この先も期待できないだろう。そう思わせる驚愕の美術展であった。
 
 
 
2位:スコットランド国立美術館
THE GREATS 美の巨匠たち
2022年4月22日〜7月3日
東京都美術館
 
 ベラスケス《卵を料理する老婆》との対面は、一生忘れられない思い出。
 ヴェロッキオ帰属《ラスキンの聖母》、レンブラントも印象に残るが、今まで知らなかった/縁が薄かったイギリス絵画やスコットランド絵画も見応えがあって楽しかった。
 
 
 
3位:モディリアーニ 愛と創作に捧げた35年
2022年4月9日〜7月18日
大阪中之島美術館
 
 本年2月2日に開館した大阪中之島美術館の開館記念特別展。
 モディリアーニ作品が油彩31点、素描9点。うち海外からも多数。
 第3章のモディリアーニ油彩21点が並ぶ様は、展示スペースの広さも相まって、壮観。
 同じモデルを描いた大阪中之島美術館の《髪をほどいた横たわる裸婦》とアントワープ王立美術館の《座る裸婦》が共演。
 首都圏に巡回があれば何度も通っていたところである。
 
 
 
4位:鉄道と美術の150年
2022年10月8日〜2023年1月9日
東京ステーションギャラリー
 
 鉄道が描かれた美術を通じて、近現代の日本社会史を見る展覧会。
 「鉄道」の開業 &「美術」という言葉の誕生から150周年であることにちなんで、150点の美術品の出品は、ボリュームたっぷりで、かつ、美術の視点から、あるいは社会史の視点から、あるいは個人的思い出の視点から、見応え大の作品が多く、実にベビーな鑑賞となった。
 
 
 
5位:パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂
2022年11月5日〜2023年2月5日
アーティゾン美術館
 
 パリ・オペラ座の350年の歴史を紹介する本展であるが、私的には、マネ&ドガ作品を観た展覧会。
 マネの大型肖像画《ハムレット役のフォールの肖像》2点と《オペラ座の仮面舞踏会》。「ドガとオペラ座」を語る、踊り子の作品たち。
 
 
 
6位:国宝 東京国立博物館のすべて
2022年10月18日〜12月11日
東京国立博物館
 
 3度訪問し、東博の国宝89点のうち《一遍聖絵 巻七》を除く88点を鑑賞した形となった。
 第2部「東京国立博物館の150年」も興味深く、これだけで一つの特別展をやって欲しかった。
 
 
 
7位:日本の中のマネ 出会い、120年のイメージ
2022年9月4日〜11月3日
練馬区立美術館
 
 「クールベと印象派のはざまで」「日本所在のマネ作品」「日本におけるマネ受容」「現代のマネ解釈 - 森村泰昌と福田美蘭」の4章構成。
 「キャプションの解説が長い」「福田美蘭が最後にすべて持っていく」との評価が聞こえた本展。私的には、マネを「ポスト・レアリスム」の画家と位置付けている三浦篤氏の説明文。
 
 
 
8位:ゲルハルト・リヒター展
2022年6月7日〜10月2日
東京国立近代美術館
 
 1932年ドイツ・ドレスデン生まれ、今年90歳、「現代アートの最高峰」と言われる画家の大規模個展。その名前すら正しく認識できていなかった私。よく分からないながらも気になって何度か訪問する。
 1/29まで豊田市美術館にて開催中。
 
 
 
9位:ピカソとその時代
ベルリン国立ベルクグリューン美術館展
2022年10月8日〜2023年1月22日
国立西洋美術館
 
 パウル・クレー34点。ボリュームと個々の作品の素晴らしさ。クレーをこれほど楽しんだのは、Bunkamuraの「パウル・クレーの芸術」展以来。
 パブロ・ピカソ43点。私的には、過去最高のピカソ展と言ってもよいかも。
 
 
 
10位:全巻修理完了記念 
日本最古の医学書・国宝「医心方」の世界
2022年2月8日〜3月21日
東京国立博物館 特別1室・特別2室
 
 984年に丹波康頼によって編纂され成立した「医心方(いしんぽう)」は、日本に現存する最古の医学書。東博所蔵品は、平安時代・12世紀の写本。「国宝」展では巻27のみの展示であったが、このときは30巻1冊すべてが展示された。
 絵はなく(1箇所のみ)、難解な文字だけという書跡なので、実物自体は見ても分からないが、各巻に付された内容解説キャプションが楽しかった。
 
 
 
 2022年は、私の行動範囲内では、コロナ禍による美術館・博物館の臨時休館や、展覧会の中止・会期途中閉幕もなく、年間を通してコンスタントに美術鑑賞を楽しめた。関係者のご尽力に感謝したい。
 
 事前予約制については、私的には慣れてきた感。
 入場待ち時間が劇的に削減、展示室内の混雑もある程度抑制、とありがたい。
 一方、東博の国宝展(一部の人気展覧会の会期終盤や週末も同様)を見ると、当日に思い立って、待ち行列につけば、時間は非常にかかっても、確実に入場できるという状況も、懐かしい。
 
 2023年も、素敵な展覧会、素敵な作品に多数出会えますように。
 
 


2 コメント

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Unknown (クリン)
2022-12-31 14:06:44
うおおおおお・・🐻!!!Kさまがあげたトップ3,結局すべて行けてません💦💦💦⤵⤵⤵(※でもこちらで拝見しているとみたような気分になり「ま、いっか~」ってなっちゃうんですよね💛
来年もハイクオリティすぎる記事を心待ちにしております✨✨✨✨
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Unknown (k-caravaggio)
2023-01-03 08:21:51
クリンさま
過分なお言葉をいただきありがとうございます。
クリンさまのブログをいつも楽しく拝見させていただいております。
今年もよろしくお願いいたします。
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