いつも・心に音楽を・くちびるに歌を~♪ 自然を感じて!

音楽療法、音楽教室、障がいを持つ子供さんのピアノ指導、緩和在宅音楽療法、アマティーナ愛知弦楽合奏団

Yさんの手

2005-10-14 | 音楽療法&療育
脳梗塞を患ったYさんの手はつるっとして温かい。
私の手を握って「あんたの手はごつごつやな~それに厚いわぁ」
そうなんです。
ぴあのんの指は節くれ立ってごつごつ。
およそ、ピアノの先生らしくない手指なんですよ。

Yさんは3年前脳梗塞で倒れ、約3ヶ月の闘病生活の後、
自宅でリハビリ生活を送って今に至っている。

右半身が麻痺をしているが、幸いにも言語の障害は重度ではありません。
現在は、口唇麻痺も少なく、食事もしっかり噛めている様で、毎日の歯磨きも
電動歯ブラシですが、自分で積極的に行っておられます。

此処に至るまでのYさんは何かにつけて消極的でした。

昨年の秋、老人施設のデイサービスでピアノを弾く私の側で
演奏をじっと聴いておられたYさんの友人のFさんから、
「病気で落ち込んで閉じこもっているYさんの所に一緒に行って歌って欲しい」
と言われ、一緒に会いに行ったのがYさんを知るきっかけでした。

共に同じ職場で働いたYさんとFさんは無二の親友。
FさんはYさんが歌の好きなことを知っており、私を誘ってYさんを
元気づけたいと思ったそうです。

私が入院加療中お休みをさせて貰いましたが、約10ヶ月、FさんとYさんの
音楽療育をしました。

私は医者ではありませんので、治療は出来ませんが、歌や、リズム遊びを
通して、身体や心のリハビリをする事は出来ます。

太鼓を叩いたり、タンバリンを鳴らしたりする事によって、
もともとのリズム感がよみがえってきました。

Yさんの右手にバチを縛り、太鼓を叩きたいという意識を持って貰い、
上がらない右手に力を込めて貰います。何度も挑戦するうちに、
ほんの1㎜ほど持ち上がりました。
次は2㎜~3㎜と徐々に上がっていきました。
今では5㎝も持ち上がります。
叩くと言うより落とすという感じで今は音が出ています。
ほんとに少しずつです。
でもYさんは諦めていません~此処まで来たんですからね。

それと同時に歌を歌うことによって、言語のリハビリも出来るようになりました。
口角が下がってしまい右の表情がありませんでしたが、
ゆっくり、大きな口を開いたり閉じたり、自分の頬をごしごし擦ったり、
して、顔の筋肉をマッサージします。その効果の結果、
表情筋も動くようになりました。

書き出したらきりがありません。
今、Yさんは輝いています。
Fさんも一緒に元気になりました。

そして、ぴあのんがお二人から元気を頂けることが何よりも嬉しいです。

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