恋

年末に１通の手紙が来た

「実は私・・・恋をしたのです。」

便箋三枚にびっしりと書かれた文字は女性らしく綺麗に整っていた。

一枚目を読み出し、これが恋をした女性の字なのかと・・・

この一筆一筆に想いが綴られているのだとおもいながら読んだ。

この綴られた文章は「恋の相手に書いたのです」

今時、メールでもなければ電話でもない。

一生懸命想いを筆に伝えたのだろう～私の胸はキュンとなった。

でも、相手には通じなかった事が二枚目に書いてあった。

三枚目には自分はどうしたら良いのだろうかと・・・一枚目とは少し違う

乱暴な筆運びの半ば狂乱的な言葉使いのような文字があった。

恋をすると回りが見えなくなるということは私もわかる。

どうしたら・・・って書かれても・・・

年の差２０歳

別にこれくらいどうっていうことはない。

世間にはいくらでもある話

上だろうが下だろうが良いのではないかと・・・

私としては実に羨ましい限りである

読んでいくうちにだんだんこの手紙が疎ましくなった。

実はおのろけ？

そして昨日、年賀状に混じり可愛いピンクの葉書があった。

彼女からの披露パーティーの案内状

もう一度、あの手紙を取り出して読んで見る。

なるほど・・・マリッジ・ブルーね。

夜、電話があり、うきうきした彼女の声に笑ってしまった。

おのろけを言うほど良い彼なの？

お幸せに！

３０年来の友人はやっと幸せを見つけた。

本当に不器用なんだから～

その幸せが手から零れ落ちないようにしっかりとつかんでいてね。

おめでとう～！