東海財務局は、中日信用金庫に対する業務改善命令を発出しました(2022年9月30日付)。
「職員が、実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の申込時に必要となるセーフティネット保証の認定申請において、売上高の減少率が申請基準に達していない取引先について、申請基準を満たすように売上高を偽装するなどして保証申請を行い、保証承諾を得て貸付を行った事例が認められる。」
このような事例の要因として、経営管理態勢及び法令等遵守態勢等に以下のような問題があるとしています。
「⑴ 営業推進態勢が不適切
貸出金残高目標の達成を優先した経営姿勢のもと、理事長は、営業推進担当役員にコンプライアンス担当を兼務させるなど権限を集中させ、その弊害が生じているにもかかわらず、営業店の実態や金庫全体の状況を把握していない。
営業推進部門長及び営業推進部門は、頻繁な進捗確認や厳しい叱責などの過度な営業管理を行っているほか、営業推進担当役員は、こうした過度な営業管理を知りつつ許容し、是正指導を行っていない。
⑵ 相互牽制や内部管理態勢が不十分
経営陣は、コンプライアンス部門及び内部監査部門に対して、牽制機能を確保するための適切な態勢整備を行っていない。
コンプライアンス部門は、ゼロゼロ融資を「自店検査」の検査項目に盛り込んでいないなど、営業推進に対する牽制機能の発揮が不十分である。
内部監査部門は、コロナ関連融資業務の通達の周知徹底状況のヒアリングにとどまるなど、深度ある監査を行っていない。
また、内部通報制度やハラスメントに関する相談対応が十分に機能していない。
⑶ 法令等遵守の意識が希薄
過度な営業管理により、職員が業績目標の達成を最優先事項として考え、コンプライアンス意識及び顧客本位の業務運営に係る意識が希薄化している。」
ゼロゼロ融資、初の行政処分 中日信金に業務改善命令へ(日経)
財務局 コロナ融資制度不正の中日信金に業務改善命令で調整(NHK)
東洋経済で以前取り上げていました。
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