新銀行東京の2005年4月の開業から今年1月まででの、融資先の経営破たんなどによるデフォルト(債務不履行)の累計額が約285五億円に上るという記事。
「関係者によると、旧経営陣は融資拡大を行員らに強く指示。融資を申し込んだ企業の財務データの入力だけで、機械的に融資の可否を判断する「スコアリングモデル」を過信し、経営の実態把握が不十分なまま融資を実行させていた。
さらに、デフォルト発生を不問とする実績重視の「成果手当」を設け、年額で最高二百万円を行員らに支給していた。旧経営陣はこうした過剰融資を奨励する一方、焦げ付きが多発しているのに取締役会には報告を隠ぺいするなど非常識な経営実態があったという。」
他の報道でもふれていましたが、中小企業の決算書の信頼性は高くありません。いくら立派なモデルを使っても、インプットするデータがでたらめでは役に立ちません。もちろん、粉飾データが一定割合混じることを前提に貸倒率などを算定していればいいのかもしれませんが、粉飾会社の割合が想定外に大きければ、結果はゆがめられてしまいます。この銀行の場合はどうだったのでしょうか。
会社の決算短信(2007年9月中間)(PDFファイル)
貸出基準をどうするかは経営の問題ですが、期末の貸倒見込みの見積りは会計の問題です。しかし、貸し出しの際の貸倒リスクの見積もりが甘ければ、引当金算定のための見積もり精度も疑われます。監査人は厳密に調べる必要があるでしょう。(一都民としては、税金を追加投入しなくてもよいようにさっさとつぶしてほしいのですが・・・。)
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