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監査基準委員会有識者懇談会(2021年4月9日)の議事要旨等の公表について(日本公認会計士協会)

監査基準委員会有識者懇談会(2021年4月9日)の議事要旨等の公表について

日本公認会計士協会は、監査基準委員会有識者懇談会(2021年4月開催)について、議事要旨及び会議資料(100ページ超)を公表しました。

協会から、品質マネジメント基準(従来の監査品質管理基準)に関する対応、「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」、 IAASB の活動状況などについて、説明・報告があり、意見交換がなされたようです。

意見交換より一部抜粋。

中小監査事務所であっても上場会社の監査を行う監査事務所においては、その影響を鑑み、品質マネジメントは十分高いレベルとすべきである。」

「品質マネジメント基準の導入に当たって、中小監査事務所のリソース不足に懸念がある。現場の監査人が品質マネジメントへの対応を行わざるを得ない場合、監査人だけでなく、企業にも影響を及ぼす可能性がある。導入に当たって新たな負荷がどの程度生じるのか、引き続き検討をお願いしたい。」

( IAASB の活動状況について)「LCE(複雑でない企業)の監査基準の導入の議論に当たっては、自主規制団体である日本公認会計士協会の考えも重要になってくる。例えば、LCE の監査基準の適用範囲をどう捉えるか、判断が求められる。」

グループ監査(ISA600)改訂において IAASB からリスクに基づくアプローチが提案されている。重要な構成単位に該当しない子会社で問題が起こるケースもあるため、新しいアプローチは有用である。新しいアプローチと現行の構成単位を軸にしたアプローチを合わせた効果的なアプローチになるよう検討いただきたい。」

EER Assurance(拡張された外部報告に対する保証)については、保証の範囲が重要になってくる。近年、日本企業における非財務情報の開示が大きく変わった。拡張された外部報告に対する保証の考え方も、監査人、財務諸表作成者、利用者、取引所など様々な立場で異なる部分もあると考える。より多くの関係者と慎重に意見交換を行っていただきたい。」

「 リモートワーク環境下における留意事項も含め日本公認会計士協会が公表する文書は簡潔明瞭にすべきである。」

中小監査事務所の監査品質、複雑でない企業(中小企業とほぼ重なる?)の監査基準など、監査主体・対象の規模を問わずに、ひとつのルールで規制するということができない面が出ているということでしょうか。

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