金融円滑化法の終了を見越して、地方の不良債権をファンドに押し込む動きが進んでいるという記事。
「円滑化法の終了を見越し、金融機関が貸出先の債務者区分の見直しをスタートさせており、倒産件数が増え始めた。現在、円滑化法を利用している中小企業は約30万社。そのうち2割は「法の庇護」がなくなれば倒産は免れないと目されている。だから6万社だ。
「6万社倒産」は、日本経済を揺るがす衝撃を秘めているが、金融庁が恐れているのは、「先送り」の間に劣化した地方の金融機関に、「6万社倒産」に耐える体力がないことだ。そこで金融庁は、「飛ばし」の容認を始めた。不良債権化した企業を、再生ファンドに押し込み、金融機関のバランスシートに"害"が及ばないようにする。
金融庁とともに、ショックを和らげようとする『日本経済新聞』は、このファンドのことを「地域ぐるみで中小企業を再生させるファンド」と書き、辛口の本音が持ち味の経済月刊誌『FACTA』は、「公認痰壷ファンド」と呼んだ。
地銀が何行か集まって共同で再生ファンドを設置する動きが急ピッチで進んでいるが、呼称はどうあれ、「先送りファンド」という実態は変わらない。
ファンドに不良債権化した企業を移す時の価格はどうなるか。「時価」ならば、飛ばしファンドを設置する意味がない。自行で処理すればいいだけの話。「簿価」での移転が想像される。」
金融機関の監査人は、本当にオフバランスにしていいスキームなのか、よく検討する必要がありそうです。また、ファンドへの出資の評価も問題になりそうです。
地方の隠れ不良債権40兆円に公認「痰壺」(FACTA10月号)(記事冒頭のみ)
こちらのスキームのことを言っているのかはわかりませんが・・・。
↓
中小企業再生ファンド(中小機構)
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事