中国財政省が、PwCの中国監査部門に対し、6カ月間の業務停止と罰金の処分を科したという記事。
中国恒大集団に対する会計監査を巡る処分です。
罰金の金額は、財務省と証券監督管理委員会の発表分の単純合計で日本円換算80億円ぐらいのようです。
「財政省の声明によると、登録会計法人でPwCの主要中国部門であるPwC中天に1億1600万元(1600万ドル)の罰金を科した。
中国証券監督管理委員会(証監会)は別の声明で、中国恒大に関するPwC中天の収入2770万元を没収し、2億9700万元の罰金を科したと発表した。」
PwC、中国で業務停止6カ月 恒大の監査巡り行政処分(日経)(記事冒頭のみ)
「中国で事業展開するグローバル企業の顧客の監査に影響する可能性がある。合計でおよそ4億元(約80億円)の罰金処分なども科された。」
中国がPwCに罰金約88億円、6カ月の業務停止処分も-恒大巡り(ブルームバーグ)
「中国史上最大規模の金融不正に対する調査が開始されて以来、恒大の監査法人だったPwCに注目が集まっていた。当局によると、恒大の主要本土部門は2019、20両年の売上高を計5640億元水増しして計上していた。」
業務停止の詳しい内容はこれらの記事ではよくわからないのですが、APのこちらの記事によると、監査証明業務は全然できなくなるように読めます(banned from signing off on any financial results in the country)。
China hands PwC a 6-month ban and fine over audit of the collapsed developer Evergrande(AP)
The punishment is the heaviest yet for international accounting firms operating in China. PwC will be banned from signing off on any financial results in the country for six months. Already, it has been losing clients.
中国の財務大臣(財政部部長)のコメント。PwCの恒大集団の監査報告書は虚偽のものであり、監査手続には、設計と適用において重大な欠陥があった(つまり監査計画策定も監査手続実施もダメであった)と述べています。さらに、PwCは職業的懐疑心を保持していなかったといっています。
China’s finance ministry said PwC issued “false audit reports” of Evergrande and that the audit procedures had “serious defects” in design and implementation, leading to many false conclusions. It also accused PwC of not maintaining “professional skepticism” and failing to point out errors and a lack of information disclosure by Evergrande during the audits.